NHK総合『新プロジェクトX ~挑戦者たち~』(土曜日19時30分から放送)にて、4月20日に「約束の春 ~三陸鉄道 苦闘の3年~」が放送される。東日本大震災で壊滅的な被害を受けた三陸鉄道が、3年後に全線復旧を成し遂げるまでの「見知らぬ者同士が支え合った絆の物語」を紹介する。
2011年3月11日に発生した東日本大震災の地震と津波で、三陸鉄道も大きな被害を受け、北リアス線(宮古~久慈間)・南リアス線(盛~釜石間)の全線で運転不能となった。しかし震災発生から5日後、3月16日に北リアス線陸中野田~久慈間で運転再開。3月20日に北リアス線宮古~田老間、3月29日に北リアス線田老~小本間で運転再開し、震災復興支援列車として無料で運転された。
壊滅的な被害で駅舎ごと流された地区もあり、地盤改良が必要になるなど難所も多数。廃線の危機もささやかれる中、元県庁職員の社長は震災発生から5日目に一部区間の運転再開を決断した。独断で復旧工事の発注にも踏み切ったという。
2011年11月に復旧工事起工式が行われ、その後、2012年4月に北リアス線田野畑~陸中野田間、2013年4月に南リアス線盛~吉浜間が運転再開。震災で廃車となった車両の代替として、36-700形の新製投入も行われた。
震災発生から3年後の2014年、4月5日に南リアス線、4月6日に北リアス線が全線運転再開した。「3年後の子どもたちの入学式に間に合わせるため、鉄道会社とゼネコン、住民が協力し合い、見事に全線復旧を成し遂げた」とのこと。
全線復旧からから5年後の2019年3月、旧山田線の宮古~釜石間が復旧するとともに、JR東日本から三陸鉄道へ移管。現在の三陸鉄道リアス線(盛~釜石~宮古~久慈間163km)となった。