JR西日本は13日、北陸新幹線と東海道・山陽・九州新幹線で大阪・関西万博公式キャラクター「ミャクミャク」などデザインしたラッピング新幹線の運行を開始した。これを記念した出発式やイベントが各地で開催され、報道公開も行われた。
大阪・関西万博(2025年日本国際博覧会)の開催1年前となる4月13日から、より一層の機運醸成を図るべく、JR西日本グループは各種イベント・キャンペーンを実施する。その一環で運行されるラッピング新幹線は、北陸新幹線のW7系1編成(12両編成)、東海道・山陽新幹線のN700系・N700S各1編成(16両編成)、山陽・九州新幹線のN700系1編成(8両編成)を使用。各号車のドア横に大阪・関西万博をPRするラッピングを施す。各編成とも大阪・関西万博の会期終了(2025年10月)まで運行され、その後もラッピング撤去までの間、運行を予定しているという。
ラッピング新幹線の運行開始を記念した出発式は博多駅と敦賀駅で開催された。先月開業したばかりの北陸新幹線敦賀駅では、9時5分頃にW7系(W12編成)のラッピング新幹線が13番線ホームへ入線。12両編成の3・5・7・9・11号車に「ミャクミャク」を描いた幅2mのPRシートが掲出され、ロゴマークを描いたPRシートも各号車に掲出された。
ラッピング新幹線は上り「かがやき508号」(敦賀駅9時21分発、東京行)として、敦賀駅長による合図で発車。「JR西日本グループは、大阪・関西万博を応援しています。」と記された横断幕とともにラッピング新幹線を見送った。
博多駅では、ラッピング新幹線を使用した東海道・山陽新幹線の上り「のぞみ24号」(博多駅11時15分発、東京行)、山陽・九州新幹線の上り「さくら550号」(鹿児島中央駅始発、博多駅11時23分発、新大阪行)に合わせ、出発式を開催したとのこと。
上り「さくら550号」の終点となる新大阪駅でも報道公開が行われた。同列車は13時59分、新大阪駅の20番線ホームへ到着。山陽・九州新幹線のN700系(S18編成)を使用し、8両編成の1・3・5・7号車に「ミャクミャク」を描いたPRシートが掲出され、大阪・関西万博のロゴマークをデザインしたPRシートも各号車に掲出された。ラッピング新幹線は新大阪駅で折り返し、鹿児島中央行の下り「さくら559号」として14時23分に発車した。
新大阪駅で行われた報道公開の後、JR西日本万博プロジェクト推進室の綿島崇倫氏が囲み取材に応じた。大阪・関西万博の開催1年前となったことを受け、「当社グループの強みである鉄道アセットを使って、機運醸成をしっかり取り組む上で何ができるか考えたとき、やはり新幹線のラッピングではないかということで、この取組みを進めてきました。JR東日本、JR東海、JR九州にも声をかけたところ、非常に好感触で、多大なるご協力をいただきました」とコメントした。
3社の協力もあり、北陸新幹線の敦賀駅から東京駅まで、さらに東海道・山陽・九州新幹線の東京駅から鹿児島中央駅まで、「一筆書き」のようなルートで大阪・関西万博のラッピング新幹線を走らせることが可能になった。「2,000km以上に及ぶ新幹線の路線が(ラッピング新幹線によって)ひとつにつながることになります。これをひとつの起爆剤として、大阪・関西を中心に万博の機運を高めていきたい」と綿島氏は話していた。