「オートモビルカウンシル2024」(AUTOMOBILE COUNCIL 2024、4月14日まで幕張メッセで開催)で世にも珍しいクルマを発見した。英国の「ブリストル」というメーカーが作ったらしいが、いったいどんなクルマなのか。出展者の「ブリストル研究所」に話を聞いてみた。

  • ブリストル「400」

    見たことある? これが「ブリストル」のクルマだ!

航空機メーカーにルーツを持つブリストルのクルマたち

「ブリストル・カーズ」はイギリスの航空機製造会社の自動車部門が独立して誕生したメーカーで、第二次世界大戦後にクルマを作り始めたという。

ブリストル研究所の展示車両は4台。どれも生産台数が少ないレア車で、今ここで見ておかないと、今度はいつお目にかかれるかわからないという代物だ。

  • ブリストル「400」
  • ブリストル「400」
  • 1946年にデビューしたブリストル「400」。ブリストルには戦前のBMWで活躍した技師がいたそうで、400は彼が手掛けた6気筒エンジンを搭載している。「キドニーグリル」らしき顔つきも彼の影響? ちなみに、このクルマにはオーナーさんがいるとのこと

  • ブリストル「401」
  • ブリストル「401」
  • ブリストル「401」
  • 1948年デビューの「401」は生産台数611台。ボディを見ると継ぎ目が見当たらず、まるで一枚の鉄板から作ったかのような美しさがある。このあたり、さすがは航空機会社をルーツに持つ自動車メーカーといった感じだ。この個体はレストアしてから販売するかも、とのことだった

  • ブリストル「406」
  • ブリストル「406」
  • ブリストル「406」
  • 1958年発表の「406」は「ブリストル6気筒」を搭載する最終モデル。この個体は販売中で、値札は1,800万円となっていた

  • ブリストル「410」
  • ブリストル「410」
  • ブリストル「410」
  • 1967年に誕生した「410」はクライスラー製のV型8気筒エンジンを搭載。生産台数はたったの82台だというから超の付く希少車だ。こちらも売り物で値段は2,000万円とのこと

自動車業界を取材しているとヒストリックカーの展示イベントに足を運ぶ機会も多くなるわけだが、ブリストルのクルマを見たのは今回が初めてだった。なぜ、こんなに珍しい存在なのか。ブリストル研究所の担当者によると、ブリストルはそもそもクルマを量産するつもりがなかったようで、当時も「イギリスの高級ショッピング街に小さなショールームが1軒だけ」といった感じでクルマを売っていたそうだ。

ブリストル研究所はクラシックカーで有名な「ワクイミュージアム」の涌井清春さんが立ち上げた。ロールスロイスやベントレーと長く関わってきた人が「クルマ好きとして最後のテーマにしてみたい」(研究所パンフレットからご本人の言葉を引用)と思ったそうだから、かなり面白いクルマであるに違いない。

最後に、ブリストルのクルマが欲しいと思ったらどうすべきなのか。研究所の担当者いわく、「オークションでたまに出てくることもありますけど、おそらく、買うとしたらうちしかないと思います」とのことだ。