米国時間の4月11日に、Androidの次期メジャーバージョン「Android 15」の最初のベータ版「Android 15 Beta 1」の提供が始まった。
2月に始まった開発者プレビュー(Developer Preview)フェーズが、開発者を対象に「電力効率とパフォーマンスの最適化」「プライバシー保護とセキュリティ強化」といったAndroid 15のアップデートの方向性を示すプログラムだったのに対し、ベータ・フェーズではアーリーアダプターを含むより広範からフィードバックを収集する。導入も容易になり、ベータ・プログラムのサイトでサポートされるPixelデバイスを登録し、OTA(over-the-air)でAndroidベータ・アップデートを入手できる。対象デバイスは、Pixel 8/8 Pro、Pixel 7/7 Pro、Pixel 7a、Pixel 6/6 Pro、Pixel 6a、Pixel 5a、Pixel Fold、Pixel Tabletとなっている。
今後の開発スケジュールは、5月にBeta 2をリリースし、開発者カンファレンスGoogle I/O 2024(5月14日)の前後に追加の情報公開や発表を予定している。そして、6月リリース予定のBeta 3からPlatform Stability(プラットフォーム安定版)に移行し、7〜8月の最終テストを経て、夏の終わり頃の正式版リリースを目指す。
Beta 1では、Android 15をターゲットにしたアプリが、デフォルトでエッジツーエッジで表示される。透明または半透明のシステムバーの背後にアプリがコンテンツを表示し、開発者が明示的にWindow.setDecorFitsSystemWindows(false) またはenableEdgeToEdge ()を呼び出す必要がなくなった。
昨年、Android App Bundleで公開されたアプリを対象に導入された「自動アーカイブ」がAndroid 15ではOSレベルでサポートされる。この機能は、端末の空き容量が少なくなった際に使用頻度が少ないアプリをアーカイブし、空き容量を増やすものである。
セキュリティ面では、E2eeContactKeysManagerを導入し、暗号化公開鍵を保存するためのOSレベルのAPIを提供する。これによって、Androidアプリのエンドツーエンド暗号化(E2EE)が容易になる。
また、JUSTIFICATION_MODE_INTER_CHARACTERを使うことで、文字間隔を利用してテキストを両端揃えできるようになった。Android Oで単語間の両端揃えが導入されていたが、日本語や中国語などセグメンテーションに空白を使用する言語では十分でなかったため、文字間の両端揃えが導入された。