鎌倉時代に源頼朝の重臣稲毛重成が掛けた橋
以前、【湘南人】の記事でご紹介した、茅ヶ崎の下町屋にある『旧相模川橋脚』は、国の史跡・天然記念物に指定されている貴重な遺跡です。
【茅ヶ崎 観光スポットレポ】史跡・天然記念物『旧相模川橋脚』 - 湘南の不思議スポット!関東大震災で出現した鎌倉時代の橋脚
史跡および天然記念物の概要
旧相模川橋脚は、大正12(1923)年9月1日の関東大震災と翌年1月の余震によって、水田に橋杭が出現した全国的にもまれな遺跡です。当時の歴史学者沼田頼輔によって、鎌倉時代の建久9(1198)年に源頼朝の重臣稲毛重成が亡き妻の供養のために架けた橋の橋脚と考証され、大正15(1926)年に国の史跡に指定されました。
平成13年から実施された保存整備に伴う調査では、橋脚についての詳細が確認された他、新たに橋脚の北側から関連する大きな土留め遺構も発見され、19年2月6日に追加指定を受けています。
また、地震によって生じた液状化現象の痕跡も確認された他、橋脚の出現状況は関東大震災の地震状況を残す遺産としても評価され、24年度、史跡指定に加え国の天然記念物としての指定を受けることになりました。液状化現象としては全国初の国指定になります。
旧相模川橋脚は、歴史遺産(史跡)としての重要性に加え、関東大震災の地震状況を示す天然記念物としての面を有しており、本市の重要な地域遺産として高く評価されます。
参照元:史跡・天然記念物「旧相模川橋脚」-茅ヶ崎市
普段は、近所の人がお散歩に訪れたり、ベンチで一休みしている人がいるくらいで、とても静かな場所なのですが、桜の時期になると穴場のお花見スポットに様変わりします。
『旧相模川橋脚』の実物は、保存整備により地下で保護されていて、現在は、敷地に精巧な複製品が設置されています。
その橋脚の複製品の周りを囲むように、20本程のソメイヨシノの木が植えられ、毎年美しい花を咲かせます。
今年は、気温が上がらず桜の開花が遅れましたが、晴れ間の見えた4月初めの週末に一気に満開を迎えました。
『旧相模川橋脚』を訪れた人は、桜の木の下に設置されたベンチに座りながら、頭上の桜を眺めつつ、水面に揺れるその桜も眺めるという風情のあるお花見を楽しんでいる様子。
レジャーシートを敷いてお弁当を食べお酒を飲みながら…というお花見の仕方ではなく、写真を撮ったり、のんびりとペットボトルのお茶を飲んだりおしゃべりをしながら、本格的な春の到来を満喫していました。
『旧相模川橋脚』は、たくさんの人で賑わうメジャーな桜の名所というよりも、地元の方が毎年開花を心待ちにしている穴場のお花見スポットといった方がしっくりくるような場所。
混雑が苦手、落ち着いた場所で桜を満喫したいという人にもおすすめです。
また、満開の時期を過ぎて桜が散り始め、ゆらゆらと水面に浮かぶ桜の花びらを眺めるのも、楽しみ方の一つになっています。
画像出典:湘南人
施設紹介
【旧相模川橋脚】■住所:神奈川県茅ヶ崎市下町屋1丁目3
アクセス
JR茅ケ崎駅北口から平塚行きのバスに乗り「今宿」で下車後、バス停から徒歩5分