4月8日、リカバリーウェア「BAKUNE(バクネ)」シリーズなどを展開するコンディショニングブランド「TENTIAL(テンシャル)」の2024年春夏新製品をお披露目するプレスイベント「Potential Conferenceʻ24 S/S」が開催された。同イベントには卓球日本代表の平野美宇選手が登壇し、"コンディショニング"をテーマにトークを展開。TENTIALの最新の取り組みなどが紹介された。
7期目を機にリブランディングを実施
2018年2月に創業したTENTIALは、昨年12月にリカバリーウェアBAKUNEで初となるテレビCMの放映を開始。高い水準で成長を続けてきたなかで、今年2月に7期目を迎え、リブランディングを実施した。
「私自身プロサッカー選手を目指す中で病気を経験し、『体が元気でなければ、新しいことに挑戦できない』と痛感しました。社会に出てビジネスマンのコンディショニングに対する意識の低さと感じ、自分のアスリートとしての経験を社会に還元できないかと考えたことが、この会社を創業したきっかけです」とは、TENTIALの中西裕太郎社長。
2023年の振り返り、2月1日に発表されたコンディショニングをテーマとするコーポレートリブランディングの詳細や事業戦略について説明した。
「コンディショニングは主にアスリートがハイパフォーマンスを実施するために行っている活動ですが、高齢化社会において一般の生活者にとっても欠かせないものになっていくと考えています。現役世代においても日常における腰痛・肩こりといった体の不調や睡眠不足・睡眠負債を疎かにしてしまうことで、結果的に医療に頼らざるを得ないような事態を招いている現状があります。こうした不調による労働生産性の低下と経済損失は、隠れた社会課題となっており、コンディショニングは今後よりいっそう注目を集める分野であると考えています」(中西社長)
同社ではコンディショニングの大切さを啓蒙するため、オウンドメディアの展開のほかロイヤリティプログラム「TENTIAL CLUB」の運営を5月15日より開始。アスリートや企業などの共創パートナーとの活動も拡大していく。
新たにメジャーリーガー・今永昇太選手と"コンディショニングサポート"契約を締結し、「ANAビジネスジェット」が展開するチャーターフライトの一部でBAKUNEのリカバリーウェアが提供されることも発表した。
「この2月にロゴのみならずステイトメントの作成やコーポレート及びブランドサイトのアップデートに着手し、製品カテゴリも4月から刷新しました。24時間のコンディショニングをサポートする製品を今後も開発にも注力しています」(中西社長)
着用者の実感を裏付ける睡眠データを取得
続いて登壇したTENTIALのCRO(Chief R&D Officer)の舟山健太氏は、同社独自の「SLEEP CONDITIONING TECHNOLOGY」を有した製品が睡眠に与える影響の臨床研究について報告した。
「SLEEP CONDITIONING TECHNOLOGYとは、温度調節わたと調湿シートの独自の配合を通じて、寝床内環境を整え、睡眠中に低い深部体温を保つTENTIAL社独自の技術です。早稲田大学睡眠研究所所長の西多昌規教授のもと実施した今回の試験の結果、SLEEP CONDITIONING TECHNOLOGYが睡眠時間と睡眠効率の増大が向上させ、深い眠りの実感をもたらすことが、客観評価と主観評価の両方から示されました。脳波という、睡眠測定において最も信頼性が高いとされる評価手法を用いて、睡眠が向上しているという結果で、非常に高いレベルのエビデンスと考えられます」
また、着用者の体温を利用して心地よいあたたかさを保つ機能繊維「SELFLAME」のパジャマ製品を用い、運輸業界で働く人の睡眠課題を解決する検証実験についても報告した。本実験は健康経営に注力する大橋運輸の従業員の協力と、睡眠の専門医である医療法人RESM理事長・白濱龍太郎氏の監修のもとで実施されたという。
「14日間(7日ずつ)にわたってリング型活動量計を用い、一般的なパジャマとSELFLAMEで各種睡眠パラメーターを比較すると、各種の睡眠パラメーターがすべてにおいて睡眠が改善される傾向を示しました。睡眠ホルモン(メラトニン)量の測定の結果、週後半でもしっかりと質の良い睡眠がとれていることがデータから示唆されました」(舟山CRO)
4月1日からECサイトも全面リニューアルし、今回のリブランディングを機に製品ジャンルを「デイコンディショニング」「ナイトコンディショニング」の2つの区分に変更した同社。ウェルネス事業本部本部長・岩松泰平氏からは、この春夏の注目の新製品が紹介された。
ナイトコンディショニングからは「MIGARU Light Knit」「Recovery Sandal Strap」が、デイコンディショニングからは「BAKUNE Comforter Cool」「BAKUNE Pile」が新たに発売される。
「2021年夏の販売開始以来、人気のリカバリーサンダルシリーズの新作となるRecovery Sandal Strapは、5月中旬に発売予定となっています。本製品の開発にあたって実施した足の悩みについての調査では、足に関する悩みを持つ人が多い一方、対策をしている人がほとんどいないという実態が見えてきました。その理由としては『対策方法がわからない』という声が最も多く、足の悩みの最も手軽な対策として、こうしたリカバリーサンダルをご提案していきます」(岩松本部長)
これまでのTENTIALのリカバリーサンダルは、主にワンマイル圏内や室内利用を想定して展開されてきたが、本製品は街履き用として長時間利用するシーンを想定し、開発されているという。
さらに直近の4月12日には、おなじみのリカバリーウェアBAKUNEシリーズの新作「BAKUNE Pile」が発売開始する。
「BAKUNEシリーズは直近1年間の販売数が20万枚を記録し、今年3月には累計販売50万枚を突破しました。このたび販売する新製品はふわふわとした柔らかなパイル素材を使用し、心地よい肌触りと上質な見た目が特徴。高い吸水性で汗をかいてもベタつきにくく、リピュール加工という抗菌防臭加工も施しているため、春夏シーズンにぴったりのアイテムとなっています」(岩松本部長)
コンディションを意識して迎えた"2回目の成長期"
プレゼン終了後は、TENTIALと"コンディショニングサポート"契約を結ぶ卓球日本代表・平野美宇選手と、中西社長が登壇するトークセッションが実施された。2月の世界卓球で中国選手を破り、団体戦で銀メダルを獲得した平野選手。
さっそく「今までで一番と言っていいほど内容の濃い銀メダル」と世界選手権について振り返りつつ、コンディショニングについて日頃心がけていることなどを語った。
「私は23歳で1週間後には24歳になるんですが、卓球界は本当に若い選手が多くて、私も中堅か、ベテランという感じ。さらに成長するためには練習だけではなく、コンディションもより大事になってきたと思います」(平野選手)
アスリートとしてコンディショニングをとりわけ意識し始めたきっかけや、その後の変化については次のようにコメントした。
「急激に成績が伸びて、非常に良い時期が高校生の頃にあったんですが、20歳ぐらいで腰を痛めて、あまり調子が良くない長く続いていて、ベッドやマットレス、パジャマなど睡眠を見直した時期があるんです。そこでTENTIALさんに出会って、2回目の成長期のような時期を迎えることができたので、本当にコンディショニングは大事だなと思います」(平野選手)
TENTIAL製品を毎日のように着用しているという平野選手。デイタイムカテゴリの「MIGARU」シリーズも愛用しているそうで、「私はけっこう肩が凝るタイプなんですけど、めちゃくちゃ軽くて着ていて非常にラクです」と感想を述べていた。
最後には平野選手が「私の名前が入ったTENTIALパジャマがほしいです」とリクエストし、中西社長が「すぐに手配をさせていただければ」と即答するやり取りもあった。