アメリカではラーメンが一杯で2000~3000円もするという。日本で暮らす我々からすれば信じがたい価格設定だが、世界的な物価高の影響を考えれば、アメリカ価格のほうがむしろ国際基準なのかもしれない。
ってゆーか、よくよく考えてみれば、日本では美味しいグルメが理外のコスパで販売されすぎちゃっているような気さえしてくる。例えば「なか卯」の親子丼は、あんなにウマいのに450円ですよ。繰り返す。あんなにウマいのに450円です。ワンコイン以下です。バグってない?
ということで、そのありがたみを改めて噛み締めてみたぞー!
▼神コスパ!「最高の750円の使い方」をなか卯で実践
コロナ禍が落ち着き、最近は外国人旅行客の姿も目立ちまくっている。昨年はなんと、インバウンド消費が過去最高の5兆円を超えたらしい。
ご存じの通り、人気観光地の飲食店などは新戦略として「インバウン丼」を販売し、話題になっている。インバウン丼の定義は曖昧だが、ようするに「インバウンド客くらいしか食べないような高価格設定の海鮮丼など」のこと。なんと、1杯あたり1万5000円もしたりするようだ。スゲェ……。
一方、なか卯の親子丼は並盛で税込450円。仮に33杯食べてもインバウン丼1杯の価格に満たない計算である。もはやコメントも難しいが、これだけは断言できる。正義はなか卯にあるーーと。
なか卯はノーマルな「親子丼」の他にも、「炭火焼き親子丼」(大好き!)、「チーズ親子丼」(嫌いな人いない!)、「ねぎラー親子丼」(食べるラー油が合う!)などバリエーションも豊富で、いずれも600円以下という嬉しい価格帯で楽しむことができる。インバウン丼はさておき、某牛丼チェーンの親子丼はノーマルの並盛でも547円なので、いかになか卯がコスパに優れているかが図り知れるというものだ。
今回はノーマルな「親子丼」を注文しつつ、セットで「京風つけもの&小うどん」を……
いや、待てよ。ここは「はいからうどん」をプラスすべきでは? なんせフルサイズで300円だもんな。親子丼と合わせても750円……。改めて考えると超お得。なか卯、正義感強すぎでしょ。
はい、W看板メニューが到着! めっちゃウマそう!
このとろとろ感……!
この透き通った出汁……! うん、完璧だ。完璧な布陣だ。
それでは、まずはうどんの出汁からひと口。
あ~……ウマ~……。沁みる。体中に沁み渡る……。見た目どおり雑味のないクリアな味わいで、旨みだけがス~ッと体に入ってくるイメージね。でもコクもある。あー、ウマい。
なか卯は「京風うどん」を謳っているとおり関西風の薄色スープが特徴で、主に宗田かつお・昆布から出汁を取っているのだそう。しかも、全国に何店舗も展開する大手チェーンなのに、店舗ごとに毎日煮出しているというのだから驚きだ。
うどんの麺もこれ、すべてのバランスがちょうどいいんだよね。もちもちした食感のなかにコシや歯ごたえを感じつつ、つるんっとした喉越しが楽しいタイプで、うどんを吸うたびに口の中にフィットする感覚というか、めちゃくちゃ口馴染みがいい。このはいからうどん専用の揚げ玉も麺に絡んでウマい!
そしてこの親子丼もこれまで何度となく食べてきたが……
相変わらず美味! まず、この卵がとにかく真っ先にウマい! 火加減が最高で、ふわっふわ&とろとろ。味わいも濃厚で贅沢感がある。色も濃くて、黄色というよりオレンジ色に輝いている。このなか卯の鶏卵は、特別に開発した飼料で飼育した鶏の卵らしいけど……こえ、マジで市販してくれないかな~。大ぶりな鶏肉も柔らかくてジューシー。程よい弾力もあって食べごたえもバッチリ。極めつけは……
この鶏肉の旨み、卵の旨み、割り下の旨みや風味がすべて染み込んだご飯ね。すべての旨みが米に吸収されて、一口一口が全部ウマい。しかも、途中途中にうどんのスープを挟むことで口内の状態がリセットされ、親子丼のウマさが常にフレッシュに感じられる無限ループの確変モードに突入。
マジで今、改めて思う。750円でこれが味わえるのは神。町中華のラーメン半チャーハンセットだって900~1000円くらいするのに、このハイクオリティの親子丼とはいからうどんがそれぞれフルサイズで750円だなんて……マジでスゴすぎっしょ。
なか卯なんて身近な存在すぎて、つい「あって当たり前」だと勘違いしてしまうかもしれないが、このコスパの良さは当たり前のようで当たり前じゃない。これからもありがたくヘビロテさせていただきやす!