MMD研究所は4月10日、2024年3月に実施したQRコード決済の利用に関する調査の結果・分析を公表した。
予備調査の対象となる18歳~69歳の男女25,000人のうち、スマートフォンを所有している22,797人に現在利用しているQRコード決済を複数回答で聞いた結果が次のグラフ。利用者がもっとも多いのは49.5%が利用していると回答した「PayPay」で、それに「楽天ペイ」25.9%、「d払い」21.2%、「au PAY」16.2%が続いている。
このうち、QRコード決済を利用している16,910人を対象として、メインで利用しているQRコード決済を聞いた結果が次のグラフ。こちらも順位は利用シェアと変わらず、「PayPay」「楽天ペイ」「d払い」「au PAY」の順で、この4サービスの合計で93.2%を占めている。
5位以下のサービスは特定のチェーン店やサービスに特化したものという性格が強く、メイン利用にはなりにくい。ただ「楽天ペイ」については、ことオンラインサービスについては楽天グループのサービスでの展開がメインという印象があり、それでも19.4%がメインとして利用しているというのは楽天の存在感の大きさを感じさせる。
上位4サービスそれぞれについて、そのサービスをメインに利用している人の総合満足度を聞いた結果が次のグラフ。メインに利用しているだけあって4サービスとも「満足」「やや満足」を足した満足側の回答が70%台となっている。
また次の表は、上位4サービスのメイン利用者にそのサービスを利用する理由を聞いた結果をまとめたもの。いずれのサービスも「ポイントがたくさんたまるから」がもっとも多く、この数年進んでいるそれぞれのポイント経済圏の囲い込みに適応している状況をうかがわせる。
ただし、「PayPay」以外の3サービスでは「普段使っているサービスとポイントが連動しているから」とこれも囲い込みの結果といえる回答が30%台で2位になっているのに対し、「PayPay」では「普段使っているサービスとポイントが連動しているから」は19.6%で同率4位にとどまる。1位の「ポイントがたくさん貯まるから」も他の3サービスが40~50%台なのに対して36.0%となっており、「PayPay」についてはポイント囲い込みよりも利便性を重視してメインに使っているユーザーが多いといえそうだ。
これとは逆に、「楽天ペイ」では「ポイントがたくさん貯まるから」「普段使っているサービスとポイントが連動しているから」の回答割合が他の3サービスよりも多い。こちらは楽天グループの経済圏戦略がプラスに作用しているといえるだろう。
調査概要
- 調査名:2024年3月QRコード決済の利用に関する調査
- 調査期間:2024年3月22日~3月25日
- 有効回答:
<予備調査>25,000人 ※人口構成比に合わせてウエイトバックを実施
<本調査>2,000人 ※PayPay(n=500)、楽天ペイ(n=500)、d払い(n=500)、au PAY(n=500) - 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:
<予備調査>18歳~69歳の男女>
<本調査>QRコード決済利用上位4サービスメイン利用者 - 設問数 :<予備調査>6問 <本調査>10問