米Metaは4月8日(現地時間)、Meta Quest向け「v64ソフトウェアアップデート」の展開を開始した。段階的に拡大しながら数週間をかけて全対象ユーザーへの提供を完了させる。このアップデートでは、「アプリを寝転がって使用」モードがMeta Quest 3でも利用可能となり、Quest 3のパススルー改善および外部マイク対応、ミラーリング機能の体験向上などが含まれる。

「アプリを寝転がって使用」は、ユーザーが上を向いている状態に環境を最適化させる。ソファやリクライニングチェアで横になって、のんびりとコンテンツを楽しむのに適したモードである。v63ソフトウェアアップデートでQuest 2およびQuest Proヘッドセットの”試験中”機能に追加され、v64でQuest 3でも利用可能となった。

使用するには、[設定]の[試験中]から「アプリを寝転がって使用」をオンにし、寝転がって上を向いている状態でコントローラのMeta/Oculusボタンを長押しすると、画面のセンター位置が再設定される。

Quest 3のパススルーに関しては、カラー、露出、コントラスト、ダイナミックレンジの改善を目的としたカメラ処理パイプラインの調整が行われた。これにより、カラーパススルーが以前より実世界に近く表示され、低照度条件下でパススルー表示が荒くなる粒状性も抑えられ、さまざまな照明条件下におけるパススルーの体験が全体的に向上する。また、パススルー・パイプラインの最適化で知覚解像度が向上し、小さなテキストなど細部をより明瞭に視認できるようになる。これらの改善により、Quest 3のカラーパススルーの忠実度が向上し、MRモードでの作業、MR対応ゲームのプレイ、または周囲を確認する際など、パススルーの体験が「より没入感のあるものになる」という。

Quest 3の外部マイク対応は、本体側面にあるUSB-Cポートに接続して外部マイクを使用できるようにする機能だ。現段階では試験提供となっており、[設定]の[試験中]から有効にする。

ミラーリング機能でQuestの画面をスマートフォンなどにストリーミングしている際に、ヘッドセットを外すとこれまではストリーミングセッションが停止して真っ暗になった。これはストリーミングの停止し忘れを防ぐためのものだが、ユーザーが休憩のためにヘッドセットを外した際などに意図しないストリーミング停止が発生していた。今後はシームレスなストリーミング体験を優先し、ヘッドセットを外してもストリーミングが継続するよう変更した。