京王電鉄は9日、京王線・井の頭線全線で線路上の電気設備を3月にデジタル台帳化したと発表した。古河電工が開発した、鉄道沿線設備の維持管理にまつわる課題を解決するデジタル・ソリューション「てつてん」を採用したとのこと。

  • 鉄道沿線設備の維持管理用ソリューション「てつてん」を採用し、デジタル台帳化を行った

「てつてん」は古河電工独自の自動化技術により、営業列車に搭載のドライブレコーダーで取得した走行データをもとに鉄道設備の位置情報や状態を解析。全景写真やキロ程、柱番号など鉄道設備の基本情報、巡視点検用の動画をデジタルデータとして提供できる。

今回、京王電鉄は京王線・井の頭線全線(トンネルや車庫線を除く)において、電車線を架設して支持する電力柱や踏切道内の異常を知らせる特殊発光信号機など合計16種類・約8,000の鉄道の電気設備を解析し、デジタル設備台帳を作成したとのこと。

  • 「てつてん」で解析した電気設備の一例

京王電鉄はすでに2023年4月から、地図上のさまざまな情報に位置情報を持たせて可視化し、迅速な判断と高度な分析を可能とする独自のGISプラットフォーム「K-PaS」を運用しており、今年度中に「てつてん」で取得した台帳を「K-PaS」に取り込み、運用を開始する予定。これにより、鉄道土木構造物と同様、電気設備についても地図上で「見える化」され、鉄道の技術系部署(工務部門・電気部門)間で現場施設状況の共有が可能になる。