第17期マイナビ女子オープン挑戦者決定戦が3月4日に行われ、大島綾華女流初段(現二段)が北村桂香女流二段を下し、自身初となるタイトル挑戦を決めました。 本記事では、2024年4月3日に発売された『将棋世界2024年5月号』(発行=日本将棋連盟、販売=マイナビ出版)に掲載された大島女流二段の単独インタビューに加え、本誌に掲載しきれなかった内容を公開しています。

(以下将棋世界本誌からの抜粋に加え、一部インタビュー内容を追加)

終局直後の囲み取材での一幕
「森(信雄七段)一門の絆が支えになったことはありますか」と聞かれた大島は「私が道に迷ったときに、優しくしてくれました」と答えた。
「それは、どのようなことがあったのでしょうか」
「東京の将棋会館の場所がわからなかったときに、案内してくれました」
「あ、道というのはそういう……」
笑いに包まれる報道陣。しかも、森門下の誰が案内してくれたのかまでは覚えていないのだという。大物の気配が漂う大島綾華女流二段に、本誌単独でミニインタビューをさせていただいた。

  • 『将棋世界2024年5月号』より

――マイナビ女子オープンへの挑戦決定おめでとうございます。マイナビにはどういうイメージがありますか。
「マイナビ出版の将棋の本を小さいときからよく買っていて、たぶん何百冊というくらいの量を持っています。本当に勉強になっていて、ありがたいです」
―今日の結果を親御さんにはご連絡されましたか?
「まだです」
―いま連絡していただいても大丈夫ですよ。
「取材が終わってからにします。『絶対中継を見るよ』と言ってくれていたので、結果は知っていると思います。師匠には先に結果を報告して、『おめでとう!』と返信がありました。師匠からのメッセージに!マークが使われていたのは初めてかもしれません」
―広島在住のまま活躍されています。地元の反応はいかがですか。
「広島でお世話になっている『広島将棋ひろば』の方たちや、アマ強豪の方々からも応援のメッセージをいただいたりしています」
――今年度は各棋戦で好調です。勝率第1位の座をキープしています。
「最高勝率が取れたらうれしいですけど、意識すると緊張してしまうので、あまり自分の成績は見ないようにしています」
――最近勝っている相手も、福間、加藤桃、伊藤沙と強敵ぞろいです。
「いい将棋を指したい、ということだけを強く思っていました。そのために目の前の対局に向けた準備をする、ということの繰り返しでした。どうして勝てるようになったのかは本当にわかりません。対局が増えていったことで、ひとりの勉強でも将棋に対するモチベーションが持続しやすくなったかもしれないです」