シャープは、4月10日の「エアコン試運転の日」を前に、同社製エアコンのIoTデータをもとにした「2023年シーズンのエアコン試運転率」を調査。LINEヤフーの協力のもと、ユーザーの検索動向も分析して、エアコン試運転開始のめやすになるアイテム、試運転の方法やチェックポイントを紹介している。
夏場はエアコン修理に関する問い合わせが殺到するため、修理対応が完了するまでに時間を要する。このため、各社ではエアコンが本格稼働する前に試運転をしたり、各種メンテナンスを実施したりすることを推奨。日本冷凍空調工業会(JRAIA)も、“4運10(しうんてん)”の語呂合わせで、4月10日を「エアコン試運転の日」に制定している。
シャープでは「設定温度18度の冷房運転を約10分間」で試運転を行うよう呼びかけており、あわせてフィルターなどの手入れや、エアコンクリーニングで内部に発生した黒カビなどの除去サービスについても案内している。詳細は後述する。
夏に向けたエアコン試運転実施率は「約9%」
シャープは、同社製エアコン(2018年~2023年モデル)のIoTデータをもとに、2023年シーズンのエアコン試運転率に関する調査を実施。調査期間(4月1日~2023年8月31日)の間に初めて行われた「冷房18度運転」を試運転とみなし、その割合を調べた(常時18度設定のエアコンは除く)。
試運転率は、気温の上昇に伴って4月〜6月に上昇し、7月にピークを迎えるが、調査対象のエアコン全体のうち約9%しか実施されていなかったという。さらに地域別で比較すると、最も高かった北海道地方(16.36%)と最も低かった中国地方(8%)では、エアコン試運転率に2倍以上の差があったとのこと。
このほか、2023年の月別のエアコンに関する問い合わせ件数については、具体的な数値は示していないものの、試運転率の伸びと同様、7月にピークを迎えたことも分かった。
シャープでは「例年、気温のピークに合わせてエアコンに関する問い合わせが増え、修理対応などで待たせしてしまうこともある。万が一の故障時に困らず、手入れによる省エネ効果も得られるよう、早めのエアコン試運転がオススメ」とコメントしている。
「たけのこを見かけたら、エアコン試運転を。そうめんでは遅いかも」
エアコンの故障時期と試運転の推奨タイミングを分かりやすくするため、シャープはLINEヤフーの協力を得て、別の切り口でも調査を実施。LINEヤフーが提供するサービスから取得した行動ビッグデータを分析できる、事業者向けサービス「ヤフー・データソリューション」からさまざまな検索動向を分析した。
具体的には、ヤフー・データソリューションのデスクリサーチツール「DS.INSIGHT」で「エアコン 故障」と、春から夏に食卓に上る機会の多い「そうめん」、「たけのこ」の検索数を比較。「エアコン 故障」と「そうめん」はほぼ同じ時期にピークを迎えており、「たけのこ」の検索数は「エアコン 故障」の3カ月前にピークとなっていることが分かったという。
シャープでは「『そうめん』の時期にエアコンの故障に関する検索が増える」という結果も踏まえ、「たけのこをよく見かけるようになったら、エアコンの試運転を実施いただくことを推奨する」としている。
シャープでは、エアコン試運転時のチェックポイントとして、以下の6項目を挙げており、いずれかの症状がでた場合はサポートページで対処法をチェックするよう案内している。
試運転時のチェックポイント
- 電源が入らない。
- リモコンは反応するが、風が出てこない(風が出ない、風が弱いなど)。
- ニオイがする。
- エアコンの効きが悪い(冷えない、冷えが弱いなどの症状)。
- ランプなどが点滅する。
- エラーの番号などが表示される。
冷房や暖房の効きにも影響する、フィルターの汚れを定期的に確認することも推奨。フィルター自動掃除運転を使っていたり、または空気清浄機能付きエアコンを使用していたりする場合、「6カ月に1回」はフィルターを取り外して汚れ具合を確認し、汚れている場合は手入れする必要がある。こうした機能を使っていない、もしくは非搭載エアコンの場合、手入れする頻度は「2週間に1度」としている。手入れの手順は以下の通り。
- 運転を停止し、電源プラグを抜く。
- フィルターを取り外して水洗いし、日陰でよく乾かす。
汚れがひどいときは、薄めた中性洗剤でつけ置き洗いをし、日陰でよく乾かす
なお、シャープでは全メーカーに対応したエアコンのクリーニングサービスも提供しており、4月10日から6月30日まで特別価格でサービスを実施する。詳細はCOCORO MEMBERSサイトを参照のこと。