PARCO PRODUCE 2024『あのよこのよ』の公開ゲネプロが7日に東京・PARCO劇場にて行われ、安田章大、潤花、中村梅雀、青木豪(作・演出)が取材に応じた。

  • 安田章大

    安田章大

同作は青木豪作・演出による新作。物語の舞台は江戸の幕末から大転換期を迎えた明治黎明期。とある浮世絵師・刺爪秋斎(安田)とそれを取り巻く人々がひょんなことから事件に巻き込まれ珍道中に繰り出すことに。先行き不透明でどこへ向かっているのかさえ分からないご時世に、足が地に着かない人々が戸惑い彷徨うさまを、爽快感あるエンターテインメントへと昇華させる。ほか池谷のぶえ、落合モトキ、大窪人衛、村木仁、南誉士広、三浦拓真、川島弘之、益川和久、岩崎祐也、鈴木幸二、市川しんぺーが出演する。

■『あのよこのよ』主演の安田章大が登場

安田は今回演じる役について「当て書きしてくれたんですよね。豪さんは『明るくてヤスがいることでポジティブになる』というところにエネルギーを置いてくださったんだなということを実感していまして、ありがたいなと思っています」と明かす。「同時に、稽古を踏んでいくと、秋斎というのはかなりせっかちでして、豪さんそっくりなんだと理解ができました。豪さんも『あれ、これ意外と僕だな』と。人がいっぱい混ざり合った、癖っていうのが出てくると思いますし、エンターテイメント性が詰まっているところなのかなと思います」と説明した。

青木は「ヤスは本当にみんなを引っ張ってきてくれる。ただ、エレベーターに乗ってボタンを押し忘れて、そのままずっといることがある。僕の場合は、もう乗ったら階を押すより早く“閉まる”を押して、早押しクイズかってぐらいものすごい勢いなので、そこがせっかちとおっとりの差ではないかなと思ってまして」と具体的な例を出す。「稽古場でも、ヤスはぼーっとしながら芝居全体の空気を見て『豪さん、こここういう風にやったらええ?』みたいな感じで。俺は台本もとにかく『巻いて、巻いて』とか言って、そこはずいぶん違うんだなと思ってるんですけど、やっぱり彼が中心にいてくれることで、場がすごく良くなっていると思うので、芝居にもそれが表れるといいなと思っております」と期待した。

今回は殺陣も見どころだそうで、「男の子って好きなんだなっていう実感はありました。幼少期から、遊んで他隊周りとかしてて、自分自身楽しくて仕方がない」と安田。

2019年に上演された『マニアック』に続くタッグに、青木は「5年間で時々彼の芝居見に行ったり連絡したりして、1回の稽古場だとなかなか生まれないような、長い時間をかけることで『この言葉はお互いに共有できてるな』というものが出てるので、前の作品よりも色んなことが言えるようになったのは、共通言語を持てるようになったんじゃないかな」と分析する。安田も「この5年間で演劇を見たり、芝居も経験したりして、混ざり合ったから共通言語を持てたかもしれないですね」と納得していた。

2017年に髄膜腫の手術をした際の後遺症で光過敏となり、いつもサングラスをかけている安田。今回の舞台でも「メガネをかけた浮世絵師」という設定で、「『体のこと、大事だよ』って考えてくださって。明治初期の時代にメガネってそうだったんだとか、色眼鏡とか考えていただいて」と感謝する。今回のために何回も手直しをして作成された特別なメガネは作品のキーともなっており、青木はネタバレを気にしながら「お楽しみでございます」と語った。

また、SUPER EIGHTのメンバーの観劇予定について聞かれると、安田は「来てくれるんじゃないですか? だってスーパーになったんですから。みんな、スーパーな気持ちを持ってきますから。空飛んでくるんちゃいます?」と会場を笑わせていた。

東京公演はPARCO劇場にて4月8日~29日、大阪公演は東大阪市文化創造館 Dream House 大ホールにて5月3日~10日。

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