15日にスタートするカンテレ・フジテレビ系ドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』(毎週月曜22:00~)の制作発表会見が7日、都内某所で行われ、杉咲花、若葉竜也、岡山天音、生田絵梨花、千葉雄大、吉瀬美智子、井浦新が登壇。杉咲が、今作にかける思いを語った。

  • 杉咲花

■現場で流行っていることは“吻合練習”?

現場で流行っていることを聞かれた若葉が、「吻合練習じゃない?」と話すと、一同は「それは流行りなの?」とツッコミ。若葉は「手術シーンで血管を縫ったりするので、クランクインの何カ月も前から吻合や縫合の練習をしていました。杉咲さんも毎日のように練習されていて、疑似血管を使った吻合のシーンを撮るときも、スタジオにこもりっきりで、撮影が終わってもずっと練習されていて。杉咲さんご本人が映像の中でもされているのですが、医療指導の先生たちが度肝を抜かれるほどです」と、杉咲の手術手技のレベルが先生を驚かせるレベルだということを明かした。

しかし杉咲は若葉に、「困ったことにコツをつかむスピードがすごく早くて、私が時間をかけてやっとできるようになったことを、『ちょっと貸して』って、貸した瞬間にできちゃったんですよ!」とクレーム。若葉は、自分が撮影で行わないことだったため、プレッシャーなくできたと説明しつつも、「僕は手先が器用なので、すみません」と笑いを誘った。

■岡山天音、杉咲花の座長ぶり絶賛

また、岡山は生田と2人のシーンでクランクインを迎えたそうだが、「まわりを見渡すと、隅っこに杉咲花さんっぽい人がいて。杉咲花さんがいると思ったら、芝居が固くなりました」と撮影予定のない杉咲が駆けつけてくれたことを振り返る。岡山は「いくら座長といっても、一番ハードなポジションなのに、お休みにあてがえる時間で、僕らのシーンに顔を出してくださって。いろんな現場を体験してきましたけど、こんな座長はいなかったなと。座長パンチをくらったというか、魅力的な座長で、出会ったことのない方だなと思いました」と杉咲の座長ぶりを絶賛。杉咲は「すごく素敵なシーンだったので、自分自身も気合が入りました」と2人のシーンが力になったと話し、「声をかけるのは恥ずかしいのでそっと見てそっと帰ろうと思ったらバレてました。プレッシャーかけちゃったみたいで」と申し訳なさそうに語った。

■杉咲花、『アンメット』にかける思い語る

そして杉咲は「昨今生きてて、私も不安なことだらけだなって感じていて、そういう方は多いと思うんです。『アンメット』を直訳すると“満たされない”という意味なんですけど、自分が恐怖に感じることやつらいこと、苦手なことを、そばにいる人が理解しようとしたり想像しようとしてくれるだけで、自分のことを受け入れてみようと思える、光に包みこまれるドラマになったら」と呼びかけ、これまでの制作過程について「『アンメット』にかかわる人全員が血のにじむような思いで日々を過ごしていて、すごく労力を費やさなければいけないことでも、いいものになるならそちらを選ぶ、そんな気概を感じながらものづくりができていることを感じる日々です」と振り返る。最後に「これまでもたくさんの作品に関わってきましたが、『指折りの傑作を作りたい』なんて、恥じらいもなく言ってみたいなという気持ちです」と力強く語った。

■杉咲花主演『アンメット ある脳外科医の日記』

『モーニング』連載中で、元脳外科医の子鹿ゆずる氏が原作を担当(漫画:大槻閑人)する同名漫画を実写化する今作は“記憶障害の脳外科医”という主人公が、目の前の患者を全力で救い、自分自身も再生していく医療ヒューマンドラマ。

【編集部MEMO】第1話あらすじ
1年半前、不慮の事故で脳を損傷した脳外科医の川内ミヤビ(杉咲花)は、過去2年間の記憶をすべて失い、新しい記憶も1日限り、寝て起きたら前日の記憶がなくなってしまう記憶障害に。毎朝5時に起きて机の上の日記を読み、失った記憶を覚え直すことから1日が始まる。現在は、関東医科大学病院脳神経外科の教授・大迫紘一(井浦新)の治療を受けながら、記憶をなくす前の研修先だった丘陵セントラル病院に勤務しているが、医療行為は一切行わず、看護助手として働いている。そんなある日、アメリカ帰りの脳外科医・三瓶友治(若葉竜也)が新たに着任し、ミヤビが院内を案内していると、急患が運び込まれてくる。患者は女優の赤嶺レナで、検査の結果、脳梗塞と判明。夫でマネージャーの江本博嗣の同意を得て、すぐさま治療が行われることになり、三瓶はミヤビにも手伝うよう指示するが、看護師長の津幡玲子(吉瀬美智子)がそれを制止。三瓶は、治療後、救急部長の星前宏太(千葉雄大)から、ミヤビが記憶障害であることを聞かされる。治療を受けたレナは目を覚ましたものの、言葉を出すことがほとんどできず、後遺症による失語症と診断。女優として絶望的な状況を目の当たりにしながら、何もできない自分にミヤビは葛藤する。そんなミヤビに、三瓶は記憶障害のことを知った上で、「人手が足りないんだから、できることはやってもらわなきゃ困る」と言い放ち、ミヤビにも医師として診察や診断をさせるよう、院長の藤堂利幸(安井順平)に直談判して……。