デロンギ・ジャパンの調理家電ブランド「ブラウン ハウスホールド」から、4月18日に2種類の卓上グリル家電が発売となります。注目は2面のプレートを持つ「マルチグリル7」(CG7040)です。2つのプレート位置を変化させることで、異なる3つの使い方ができるという面白い製品。ほか、コンパクトでシンプルなホットサンドメーカー「スナックメーカー5」も同時に発売予定。マルチグリル7を中心に、プレートが2面あるとなぜ便利なのかチェックしてきました。

  • ブラウンマルチグリル7(写真右)とスナックメーカー5(写真左)

  • メディア向けの発表会ではシェフによる調理デモも。目の前で調理の流れを見ると、2プレートのメリットがよくわかります

3つのポジションを使い分けられるマルチグリル

マルチグリル7を見て「この形どこかで……」と思った人はいますか? 実はこのマルチグリル7、デロンギが以前から発売している人気の「コンタクトグリル」シリーズの進化系なのです。機能やデザインはほぼそのまま、本体サイズが一回りコンパクトになり、使いやすくなっています。

  • マルチグリル7の本体サイズは幅37×奥行き×高さ17cm。重さは5.5kg。デロンギのコンタクトグリルシリーズは約7kgだったので、かなりコンパクトになりました。プレートのサイズは1面23×29cmです

  • プレートは取り外して丸洗い可能。平型と波型プレートが1枚ずつ付属します。波型を使えば肉を焼くときなど余分な油も落とすことも

  • プレートはヒーター内蔵式。立ち上がりが早く熱ムラも少ないそうです。立ち上がりまでの時間は非公表でした

マルチグリル7の大きな特徴は、2つのプレート位置を切り替えることで3種類の調理方法が選べる点。プレートを左右に並べるとバーベキューポジション、上下のプレートで食材を挟むように加熱すればコンタクトポジション、そして上のプレートを浮かせた状態で加熱すればグリルポジションです。

バーベキューポジションでは、左右のプレートを異なる温度に設定して焼けるホットプレートになります。60℃から230℃まで温度(60~120℃までは20℃刻み、140~230℃までは10℃刻み)を選べるので、片方のプレートで食材を焼いて、片方で保温するといった使い方も可能です。最近はこういった「左右で異なる温度のホットプレート」が少しずつ増えています。

  • 写真は、左右のプレートを異なる温度で加熱できるバーベキューポジション。開いた本のような状態です

  • 2つのダイヤルで各プレートの温度を設定。液晶画面のボタンではタイマーも設定可能です。機能がシンプルなこともあって、わかりやすい操作性でした

「左右異なる温度で加熱できるホットプレート」も便利ですが、マルチグリル7の良さをもっとも感じたのは食材をプレートで挟んで加熱するコンタクトポジション。今回の発表会では、このコンタクトポジションを使った調理のデモンストレーションが行われました。

肉の焼き時間が半分以下に!? 魅惑のコンタクトポジション

調理をしてくれたのは、東京都内で数々の有名店を構え、熟成肉の魅力を日本に広めた高山いさ己さん。マルチグリル7を使って参加者の目の前で肉を焼きました。

  • 高山さんといえば、熟成肉で知られたシェフでもあります。ぶ厚いステーキ肉が登場しました

高山さんが調理したのは、野菜のグリルとランプ肉のステーキという2品。どちらも食材を「挟んで」焼くコンタクトポジションを使いました。実際に調理を見て感じたのは「とにかく早い! 手間いらず!」ということ。通常、ホットプレートで焼くときは野菜も肉も「ひっくり返す」という一手間が必要ですが、マルチグリル7は食材を上下から同時に加熱するため、ひっくり返す作業がありません。

  • 野菜を並べて合計約6分間焼いたところ。6分間の焼きとは思えないほど、しっかりと美味しそうな焼き色です

  • できあがりはこのとおり。波型プレートでついた線状の焼き目が美しい!

目の前で調理を見ていると、焼き上がりが早さにも驚かされます。肉は最高温度の230℃で4分間ほど焼いただけですが、表面がこんがりと美味しそうな色に焼けていました(そのあと同じ時間だけ肉を休ませます)。高山さんによると、今回のような厚さの肉は通常15分ほどかけてじっくりと焼くのがセオリーとのこと。

しかし、上下から同時に火を通すマルチグリル7なら、半分の時間でも美味しく仕上がるそうです。デロンギが第三者機関に依頼した試験では、ぶ厚い鶏肉を焼く時間は一般的なホットプレートの約5分の1まで短縮できたそうです。

  • 3cmほどのぶ厚いランプ肉をコンタクトポジションで調理中。上から下からジュウジュウと加熱されています

  • 4分焼いて上のプレートを外したところ。カリッとして香ばしそうな焼き目がついています。当たり前ですが、プレートが肉に当たっていないところは焼き目がついていません。食材全体に焼き目をつけたい場合は、上プレートの位置調整をしっかりしたほうがよさそう

  • 4分焼いたあとは4分休ませ、最後にちょっとあたため直しをしたランプステーキがこちら! ランプ肉というとちょっと硬い印象があったのですが、表面はカリッとして中はジューシー! 肉を休ませている間に付け合わせももマルチグリルで調理しました

調理デモンストレーションのあとは、マルチグリル7で焼いたパンも振る舞われました。マルチグリル7は高火力で一気に上下から加熱するため、食パンも美味しく焼けるのです。

会場ではパンをそのまま焼いて試食しましたが、マルチグリル7はチーズなどのトッピングを乗せたアレンジパンも得意。アレンジパンを作る場合は、上プレートを食材に触れさせずに浮かせた状態で両面加熱する「グリルポジション」がよいそうです。

  • デニッシュパンやチョコパン、さまざまなパンを試食できました。プレートで直接加熱するからか、外はカリッとして、中は水分を逃がさずモチモチでした

手軽に楽しむなら「ブラウン スナックメーカー5」

今回はマルチグリル7を中心とした発表会でしたが、朝ごはんやオヤツなどをもっと手軽に調理したい……という場合は、同時に発表されたスナックメーカー5のほうが魅力的かもしれません。こちらは電源を入れると加熱が始まるホットサンドメーカー。タイマーや温度設定はないシンプルな調理家電です。

  • 本体サイズは幅295×奥行き250×高さ105mm。重さは2.9kg。本体横のスイッチボタンで電源をオンオフするだけのシンプルな製品です

  • スナックメーカーはヒーターが本体に配置されているタイプです

ホットサンド用のプレートだけでなく、ワッフルプレートとグリルプレートも使い分けられます。グリル用の波型プレートはプレート端に穴が開いており、肉や魚を焼いたときに脂を下に落とせる仕組み。パニーニ用に波型プレートが付属したホットサンドメーカーはほかにもありますが、油受けまでついた製品は珍しい部類です。

  • 左から、ホットサンド、ワッフル、グリル用のプレート。グリル用プレートは左上に脂落とし用の穴がある点に注目

以上、ブラウン ハウスホールドのグリル家電をチェックしてきました。ブラウンの調理家電というと、日本ではハンドブレンダーやフードプロセッサーといった「回転系」の印象が強いと思います。しかし、2023年には本格的なコーヒーメーカー「ブラウン マルチサーブ コーヒーメーカー(KF9170SI)」を発売し、今回は2種類のグリル家電を発売と、これからも調理家電ジャンルの幅は広がりそう。日本でもハンドブレンダーのマルチクイックシリーズなどで実績のあるブランドだけに、今後の展開も楽しみです。