アメリカ政府は3月29日(現地時間)、中国に対して実施している高性能半導体の輸出規制基準を、より厳しくする形で更新した。ロイターが報じており、テック媒体のVideocardzがグラフィックスカードへの影響について報じている。
アメリカは中国向けの輸出において高性能な半導体に規制を敷いているため、AMDやNVIDIAが対応に苦慮している。特にAI向け製品で圧倒的なシェアを誇るNVIDIAは大きな影響を受けており、これまでも性能を若干下方修正した製品を展開中。データセンター向けだけではなく、消費者向けでも高性能すぎるために輸出規制をクリアできず、ゲーマー向けには「GeForce RTX 4090D」、クリエイター向けには「NVIDIA RTX 5880」を提供してきた。
しかし、今回の輸出規制基準の更新でGeForce RTX 4090Dの先行きはやや不透明になっている。新基準では「ピーク性能で70 Weighted TFLOPSを超えてはならない」と明記されており、これは単体で73.5 TFLPOSを実現するGeForce RTX 4090Dを輸出できなくなることを示している。
米商務省長官は昨年12月にも「もし準拠版を再設計したとしても、翌日にでも規制するつもりだ」と述べて強気の姿勢を堅持しており、今回の基準更新で有言実行を推し進めてきた形だ。