米OpenAIは4月1日(現地時間)、OpenAIアカウントを作成することなく対話型AIサービス「ChatGPT」の無料版を利用できるようにすると発表した。サービス全体の安定性を確認しながら段階的に展開し、AIでできることに関心を持つ人がChatGPTを容易に体験できるようにすることを目指す。
2022年末にChatGPTを開始して以来、同サービスの使用にはOpenAIのアカウントによるログインが必要だった。ChatGPTは現在、185カ国で毎週1億人以上に利用されている。Webサイトトラフィックを分析しているSimilarWebによれば、ChatGPTの2024年2月の訪問数は約16億だった。Googleの「Gemini」、「Perplexity」や「Claude」といった競合サービスがユーザーを増やしているが、ChatGPTは依然としてトップを維持している。しかし、2023年5月に約18億を記録した頃に比べると約11%の減少が見られる。OpenAIはアカウント作成の手間なくChatGPTにアクセスできるようにすることで、これまで体験したことがない人の利用を促す。
ログイン不要で使えるようになると、ChatGPTの左下に「Sign up」と「Log in」のボタンが表示されるログアウト状態でも、メイン画面でGPT-3.5によるAIチャットを使用できる。体験できるのは対話のみで、サインナップまたはログインすることで、チャットの履歴、チャットの共有、パーソナライズ、GPT-4(オフピーク時)などの機能も利用できるようになる。
OpenAIは、ChatGPTの個人ユーザーのコンテンツを生成AIモデルの改善とトレーニングに使用することがある。プライバシーを保護したい場合、ユーザーは、ログインしているか否かにかかわらず、モデルの学習からオプトアウトすることができる。Web版の場合、ログインしているユーザーは、ChatGPTの[ユーザー名](左下)→[Settings]の[Data controls]で「Chat history & training」をオフにする。学習のオプトアウトは同期されないので、デバイスやブラウザで個別に設定する必要がある。ログアウト状態のユーザーは、右下の[?]をクリックして[Settings]で[Improve the model for everyone]を無効にする。
また、ログアウト状態での使用に伴い、OpenAIはプロンプトや生成コンテンツをブロックするカテゴリーを広げるなど、追加的なコンテンツセーフガードを導入した。具体的にどのカテゴリーを追加したのか、詳細は明らかにしていない。