東京都は、恩賜上野動物園新たな乗り物選定審査委員会にて実施した、上野動物園モノレールの代替となる新たな乗り物の公募に関して、提出された企画提案の審査結果を発表した。
上野動物園で運行していた上野動物園モノレール(東京都懸垂電車上野懸垂線)は、1957(昭和32)年に日本で最初に開業したモノレールであり、上野動物園の東園~西園間(0.3km)を所要時間約1分半で運転していた。2019年11月から経年劣化を理由に運行を休止し、車両更新も検討されたが、国内唯一の特殊な車両で製造に時間を要すること、電気設備等の大規模な更新が必要なことが課題となり、2023年12月27日に廃止となった。
東京都は上野動物園のさらなる魅力向上、安全で快適な移動手段の確保を図るため、モノレールの代替となる新たな乗り物の整備をめざし、2023年11月24日に企画提案の募集を開始した。
今回発表された審査結果によれば、A社・B社・C社の3社から企画提案の提出があり、審査委員会において「恩賜上野動物園新たな乗り物選定審査・決定基準」にもとづき審査を行い、B社の企画提案を選出したとのこと。ジェットコースターと同様の構造を利用し、脱輪の心配がなく安全性の高い乗り物であり、上り勾配はモーター駆動、下り勾配は条件により位置エネルギーを利用して走行する省エネシステムを採用するという。
B社の企画提案に対し、「現況の地形に合わせたルート設定となっており、かつルートに適した車両の形式である」「混雑時の動線やバリアフリー等について十分に配慮されている」「緊急時の応急体制等が確立されている」「既存樹木への影響に配慮されている」といった評価があったとのこと。今後、2024年度に選定された乗り物を前提とした設計に着手し、2026年度末の運用開始をめざす。