3年前に放送がスタートしたNHK Eテレのブックガイド番組『理想的本箱 君だけのブックガイド』がレギュラー化。4月6日より毎週土曜21時に放送される。引き続きMCを務める吉岡里帆、太田緑ロランス、幅允孝氏にインタビューし、レギュラー化が決まったときの心境や同番組の魅力など話を聞いた。

  • 幅允孝、吉岡里帆、太田緑ロランス

    『理想的本箱 君だけのブックガイド』のMCを務める幅允孝、吉岡里帆、太田緑ロランス(左から)にインタビュー

『理想的本箱』は、「あなたと本の幸福な出会いを仲介する“君だけのブックガイド”」をコンセプトに、ブックディレクターの幅允孝氏が各回のテーマに沿った3冊を選書して紹介する番組。ただ本を紹介するだけではなく、ドラマやアニメや朗読などでその世界に入り込める「映像の帯」という番組オリジナルの演出を交え、本の魅力を伝える。

――レギュラー化が決まった時の心境をお聞かせください。

吉岡:毎回楽しく思い出深く撮影させていただいていたので、これが毎週放送されるなんて、うれしい気持ちになりました。時間をかけてゆっくりじんわり本を味わいながら、みんなでいろんな解釈をして収録しているので、毎週放送があるということにすごくワクワクしています。

:今、本を読んでくださる方があまり多くない、人と本の距離がどんどん離れている時代なので、毎週定期的にこの番組を見ていただくだけで、こんな本があるんだなと、少しでも誘発できたらうれしいなと思います。

太田:この番組は私の中でも非常に有意義で得るものが多く、新しい発見がたくさんあります。幅さんが紹介してくださる本は、斜め45度からの予想外のものもあるし、王道もあるし、そのバランスが本当にすごいなといつも思っています。毎回収録がすごく楽しみで、体験をこれから毎週皆さんとシェアできるなんて、なんてありがたい幸せなことなんだろうと思っています。

――吉岡さんもこの番組がご自身にとってどんなものになっているか教えてください。

吉岡:ロランスさんがおっしゃる通りで、自分たち自身も毎回学びがあって、番組を通して本の読み方も変わり、難しそうだなと思っていた本が急に身近なものになりました。本がテーマごとに分けられているというのがこの番組の魅力で、難しいテーマや重いテーマもありますが、心が少し軽くなったり、その本と出会ったことで人生観すらほんの少し変わる。本の力を感じますし、自分の人生観が変わったものを家に置いておけて、それを皆さんに紹介できるというのはこの上ない喜びです。

――レギュラー放送の収録に参加した感想もお聞かせください。

吉岡:やっぱり幅さんの選書ってなんて素敵なんだろうと思いました。テーマに対する捉え方にハッとさせられて、幅さんと過ごしているだけで視野が広がる感じがしますし、ロランスさんが本の解釈をされる様が美しくて、ロランスさんがどう読んだかというのをそばで聞けるのがとっても楽しくて、目から鱗みたいな感じでした。

:3冊を選ぶというのはすごく大変で、毎回テーマに沿って20タイトルぐらい候補として挙げて、10タイトルほど番組の皆さんにぶつけて、その中からさらに監督たちに選んでいただいて、凝縮したものが撮影で花開いている感じがあります。「映像の帯」などを見て、この本をこういう風に捉えるのかと、自分の読みとは違う読みがこれだけ多種多様あるんだなと私でも思うので、番組を見てくださる方にとって、本の読み方を解きほぐしてくれる機会になるのではないかなと思います。吉岡さんもロランスさんもしっかり本を読み深めて収録に来てくださり、それぞれの読み方を聞けるのもとても楽しいです。

太田:初回の収録で初めてお会いしたときに、お二人とも言葉選びにすごく慎重で、誰も傷つけたくないという優しさがあふれていて、すごく共感しました。初回の30分で本当に信頼できるお二人だなと思ったのですが、その印象が2年半経って深まるばかりです。スタッフの皆さんとのチームワークも含めて、どんどん素敵なチームになっているなと。またこのチームと収録ができてよかったなと思いました。