総合商社の双日は、カナダ・オンタリオ州交通公社メトロリンクスがトロント大都市圏周辺で保有する約900両の鉄道車両保守・改修を一括して請け負う大型事業を受注したと発表した。

双日米国会社の連結子会社である鉄道車両総合メンテナンス企業「キャドレイルウェイインダストリーズ」(CadRI)の子会社「キャドレイルフリートサービス(オンタリオ)」が契約主体となり、2025年1月から車両保守・改修作業を開始する。

トロント市郊外のメトロリンクス車両基地

トロント大都市圏の人口は、現在の700万人から2041年には900万人に増加すると予想されており、慢性的な渋滞の緩和や交通利便性の向上を目的とした鉄道路線網の整備や運行計画の刷新などが推進されている。その中核を担うプロジェクトについて、2022年4月に4カ国4社からなるコンソーシアムが受注しており、鉄道インフラの整備と拡張、列車の運行管理、車両の保守・改修などに取り組んできた。

CadRIはメトロリンクスの保有車両を多数改修した実績があり、技術や品質、契約履行能力が優れていることや、客車・機関車・ディーゼル車のすべての保守・改修に対応できることから、コンソーシアムのパートナーに選定された。2047年までの長期契約の予定で、民間企業が単独の公共交通機関から請け負う鉄道車両の保守・改修事業の車両数としては世界最大規模になるという。