ファーウェイの最新スマートウォッチ「HUAWEI WATCH GT 4(以下、GT 4)」に新しく提供されたゴルフナビ機能。その使い勝手を、メーカー主催のゴルフ体験会で実際に確かめてきました。画面の見やすさ、扱いやすさ、情報の正確さなど、プレイしながらでないと気が付きにくいポイントも含め、ゴルフ機能の使い勝手をレポートします。
GT 4は「WATCH GT」シリーズの4代目に当たるモデルで、八角形ケースの46mmと円形ケースの41mmと、2タイプをラインナップ。最大14日間の長時間バッテリーを実現しています。スペックの詳細は過去の記事を参照してください。
なお、GT 4のゴルフナビ機能は、すでにGT 4を所有しているユーザーなら無料でダウンロード・アップデートできます。
キャディバッグからクラブを抜く自然な動作で必要な情報が目に入る
会場となった麻倉ゴルフ倶楽部は、千葉県佐倉市にある2008年10月にオープンしたゴルフ場です。高低差の少ない地形を活かしたコース設計が特徴で、18ホール/7,000ヤードを超える距離を誇り、250ヤードを超えるドライビングレンジやアプローチ練習場、パッティンググリーンまで備えています。
今回は麻倉ゴルフ倶楽部のクラブハウスに集まり、最初にHUAWEIデバイス ウェアラブル&スポーツヘルスケア部門 プレジデントのリコ・ジャン氏などの挨拶や、新しいゴルフ機能の概要説明、ゴルフモードを記念して追加された新しいグリーンカラーのSKUの紹介が行われました。
ゲストとしてプロゴルファーの横田真一氏が登場したトークセッションでは、GT 4のゴルフ機能を試した横田氏が「キャディバッグからクラブを抜く時の自然な動作で、必要な情報がぱっと目に入ります」と、意識せずとも使える利便性に言及。
また、「ティーショットの直後に、上手くいったかミスしたかを入力するだけでも、後からの分析で役立ちます。私の場合、ミスショットは左に流れがちだと傾向が出ていました」ともコメントし、「分析前からなんとなくそうじゃないかと感じていたものが、データで裏付けられてしっかり意識できるようになった」と述べました。
セットアップは自宅にいるうちに済ませるべし
実際にコースを回る前に体験用の実機が配られました。これをスマートフォンとペアリングさせ、ゴルフ機能やゴルフ場のコースなどをダウンロードしていきます。スマートフォンは事前にOSをゴルフ機能に対応するバージョン(iPhone:14.1.2.315/Android:14.1.2.300)にアップデートして、アプリも最新版をダウンロードする必要があります。
今回は会場で必要なセッティングを行ったため、準備に時間がかかりました。ゴルフ場は備え付けのWi-Fi電波が弱い場合があり、ポータブルWi-Fiが入らないことも多いので、自宅にいるうちにコース情報をダウンロードして、GT 4と同期しておくのがオススメです。
特に最初はアプリの更新、コース情報のダウンロード、GT 4との同期と、準備の工程が多いので、通信に時間がかかると面倒くさく感じるかもしれません。ゴルフ場に着いたらすぐに始めたい、時間があるならパターの練習でもしていたいとムズムズする人なら、なおさら通信環境の整った場所で先にセットアップしておきましょう。
ゴルフ機能を実地で試す! リアルタイムで現在地やコースが現れる
いよいよ実際のコースに出ます。この日は“からっと日本晴れ”とはいかず、前日までの雨が止んだばかりで空も暗く、芝に湿り気の残ったコンディション。
今回は麻倉ゴルフ倶楽部の全18ホールのうち、第1ホール(1H)から第9ホール(9H)までのハーフコース(アウトコース)を4名で回りました。電磁誘導式の乗車カートが用意されており、クラブはカートに積んで運べるので楽チンです。
GT 4のGPSを利用して、自分がいるホールをリアルタイムで把握。フィールドに足を踏み入れると自動的にコース画面が表示され、グリーンまでの距離と現在距離がヤード数で示されます。
自分のドライバーの平均飛距離が何ヤードくらいか把握していれば、ティーに立った時に刻んでいくルートを確認しやすく、バンカーに絡むのかどうかといった目安もつかめます。
操作は、グローブをはめた指では最初こそやりづらく感じますが、2~3ホールも回るうちには慣れてきます。人間の順応力の高さにびっくりです。
1ホールごとにスコア入力、プレイ後にスマホで分析
スコアは、GT 4へ総打数(合計)を入力してからパットの数とペナルティの数を入力していきます。このペナルティはバンカーに入った数などを記録するもので、そこでの打数までは入れられません。
スコア入力は自分ひとりの分に対応します。ゴルフのプレイでは通常自分だけでなく一緒に回るペアの分も記録するのがマナー。ここはペアの分も入力可能にして欲しかったところ。アップデート対応に期待です。
ちなみにゴルフモード中の時刻確認が気になる人もいるのではないでしょうか。結論から言うと、ゴルフ中でも時刻はちゃんと確認できます。
GT 4のゴルフ機能はカートでの移動中など、ホールの外にいるときはウォッチ画面を表示します。ホールに入ると自動的にゴルフモードに切り替わります。ゴルフモード中は下部に時刻がデジタル表示される画面とされない画面があり、グリーンからの距離を調べる画面やデータ分析画面などでは、文字のサイズは小さくなりますが時刻が確認できます。
カート移動中にスコアを入力する場合はぐずぐずしているとウォッチ画面に戻ってしまって、ゴルフモードを呼び出す作業が発生するので注意です。
グリーンでは傾斜の情報が表示されないのがやや残念でした。風向きなどもあまり影響しないため、グリーンに載ってしまえばGT 4の画面を見る機会はほぼなくなります。
プレイが終わったら、スマートフォンでプレイを振り返って分析します。GT 4のゴルフ機能で「終了」をタップし、スマホに近づければすぐに同期してスマホの画面で分析を見られます。ホールごとのスコアカード、アンダーパーやオーバーパーの状況、心拍数などのヘルスデータのほか、ホールごとのショットの軌跡がアニメーションで見られます。
20種類以上あるワークアウトの1つとしては十分な完成度
ゴルフには距離を測る道具として、近年レーザー測定機が利用されています。上級者なら個人的に所有する人もいますし、皆で使えるようにカートに積んでいるケースもあります。
しかし、レーザー測定器は慣れないと長距離の計測が難しく、ピンフラッグが見通せない場所では正確に測れません。カートに忘れた時には取りに戻らねばならないことも考えると、意識せずに持ち歩く手元のGT 4の画面でぱっと確認できるのは実にお手軽です。
GT 4のゴルフ機能は登場したばかりということもあり、ブラッシュアップを期待する部分もあったものの、全体的に見てかなり高い完成度に仕上がっていました。近年はキャディを使わないセルフプレイも増えてきており、テンポよくプレイする上でサポートしてくれるデバイスの存在はこれから益々重要性が高まると考えると、注目したいアイテムと言えるでしょう。
市場にはゴルフ専用のサポートデバイスも登場していますが、まだまだ高額なものが多く、セミプロ以下のライトユーザーにはためらわれるところ。その点GT 4のゴルフ機能は、スマートウォッチであるGT 4の持つさまざまな機能の1つであり、ゴルフ以外にもウォーキング、サイクリング、スノーボード、登山など20種類以上のワークアウトモードを備えています。
カロリー管理、睡眠中呼吸乱れ検知、生理周期予測などの機能もあり、これらの先進の機能も含めて1本で使えるデバイスが、3万円台で入手できる点は高く評価したいポイントです。ゴルフ場で使えるGT 4の最先端のスマート機能を、多くのライトユーザーに体験してほしいと感じました。