iPhoneで交通系ICカードを使いはじめるとき、必ずなんらかのアプリを利用します。実物のSuicaカードを例にすると、App Storeで配布されているSuica専用アプリ、またはiOSに標準装備のウォレットアプリのいずれかでカードの取り込み作業を行います。モバイルSuicaを新規発行する場合も、どちらかのアプリを利用することになります。
では、ウォレットアプリがあれば専用アプリは不要かというと、そうではありません。専用アプリでなければ利用できない機能、鉄道会社のサービスがあるからです。
たとえば、Suicaでは専用アプリを利用しなければオートチャージ(残高が一定額を下回ると自動的にクレジットカードからチャージする機能)を設定できません。通勤・通学定期券の新規購入や払い戻し、グリーン車に乗るとき必要なSuicaグリーン券の購入手続きも、ウォレットアプリでは実行できない専用アプリだけの機能となります。
PASMOについても、同様のことがいえます。オートチャージはPASMOアプリだけの機能で、ウォレットアプリでは設定できません。通勤・通学定期券の新規購入や払い戻し、PASMOのすべてのサービスを利用するために必要な会員登録にも、PASMOアプリが必要です。
クレジットカードや現金でのチャージ、定期券の継続手続きといった電車利用にまつわる基本的な機能はウォレットアプリだけで賄えますが、イレギュラーな機能は専用アプリだけのものです。Apple Payに交通系ICカードを登録したあとは、専用アプリをインストールすることをお勧めします。