JR西日本は27日、山陰本線長門市~小串間の被災復旧等について発表した。粟野川橋りょうを含まない長門市~人丸間と滝部~小串間について、工事に着手後、3カ月程度で完了見込みとされ、工事完了後に鉄道での運転を再開する予定となった。

  • 小串~下関間で運転される山陰本線の普通列車

山陰本線長門市~小串間は現在、列車の運転を見合わせ、バス代行輸送を実施している。2023年6月30日からの大雨により、粟野川橋りょう(長門粟野~阿川間)の橋脚傾斜をはじめ、長門市~小串間で計69カ所の被災が確認されたという。

被災調査の結果等を踏まえ、復旧等に向けた具体的な検討を行い、「粟野川橋りょうを含む区間(人丸~滝部駅間)」「粟野川橋りょう以外の区間(長門市~人丸駅間 及び 滝部~小串駅間)」でそれぞれ復旧工事を進めることに。両区間とも安全最優先の下、早期の完成をめざし、工事を進めていく。

「粟野川橋りょうを含む区間(人丸~滝部駅間)」の復旧工事に関して、粟野川橋りょうの傾斜した橋脚1基を改築するほか、他の橋脚・橋桁の修復、線路内に流入した土砂等の撤去、流出した盛土・砕石の復旧、線路・電路・運転保安設備等の復旧点検など行う。工事期間について、「各種協議届出のほか、設計など準備が出来次第、現地工事に着手予定」「以降順調に工事が進めば、着手後1年半程度で復旧工事完了」と説明する。

「粟野川橋りょう以外の区間(長門市~人丸駅間 及び 滝部~小串駅間)」の復旧工事に関して、線路内に流入した土砂等の撤去、流出した盛土・砕石の復旧、線路・電路・運転保安設備等の復旧点検など行う。工事は速やかに順次着手し、3カ月程度で完了(予定)した後、長門市~人丸間・滝部~小串間で鉄道の運転を再開する。運転再開日や運行体系(本数・時刻等)は別途案内する。

なお、JR西日本によれば、利用の少ない山陰本線で鉄道としての持続可能性の確保について、沿線自治体と相談を行っているという。「今後、具体的な議論の進め方についても、引き続き、調整をしてまいりたいと考えています」とのこと。