KDDIスマートドローン、KDDI、総合研究所、プロドローンの3社は3月5日、東京都「東京ベイeSGプロジェクト」において、東京湾・中防大橋でモバイル通信を用いた遠隔での橋脚水中点検に成功した。
3社は2021年には世界初の「水空合体ドローン」を開発。ダム・港湾設備点検や水産漁場監視などの用途を想定したもので、空中ドローン(親機)に水中ドローン(子機)を搭載し、親機による点検場所までの自立飛行、子機による映像伝送や音波測位を可能としている。
今回の実証では、水上移動性能や子機の測位制度を高めた新型機が使われた。また、空中・水上・水中の情報をスマートドローンプラットフォームに集約し、1台のタブレット上で操作できるように統合した。
実証の内容としては、東京湾の中防大橋において、橋梁・橋脚の点検を行う際に劣化状況の確認が必要な「水上部変状」「水中部変状」「基底部洗堀状況」の3点の遠隔撮影を行った。
従来の手法では、橋脚水中部の点検を行うには船を出しダイバーを手配する必要があった。橋梁は日本全国に73万カ所あるとされているが、2030年にはその55%が築50年以上となるため、点検・保守の効率化が課題となっている。