コミュニケーションツールとして便利な電話ですが、「電話をするのが怖い」と感じる人もいますね。
本記事では電話が怖いと感じる主な原因や、電話対応を不安なく、スムーズにできるようになるための克服方法を紹介。電話をすることに恐怖を感じやすい人の特徴もまとめました。
「電話をするのが怖い」と感じる電話恐怖症とは?
いわゆる電話恐怖症とは、電話で人と話すことに対し、極度に緊張する、怖いと感じる状態のことです。
メールやチャットなどが普及したといっても、特にビジネスシーンにおいてはまだまだ電話が重宝されるケースも多いです。オフィスにおいて人前で電話に出なければならない状況でさらに緊張してしまい、電話が鳴るだけでも恐怖心を抱いてしまうということもあります。
仕事の電話をするのが怖いのはなぜ? 主な原因とは
電話を怖いと感じる理由には、さまざまなものがあります。ここでは特に、仕事の電話が怖く感じる理由として考えられるものを見ていきましょう。
過去の失敗がトラウマになっている
電話ごしの会話は、聞き取るのも話すのも難しいものです。大切な情報をうっかり聞き間違えたり、自分の言葉をうまく聞き取ってもらえなかったりすると、トラブルになることもあります。
すると電話対応をする度に「あの時、失敗してしまった」という過去が思い出され、精神的に負担を感じます。それが積み重なることで、電話が怖くなってしまうのです。
相手の反応が見えづらい
電話は、対面と違って相手の顔が見えません。
人と人の会話では、言葉以外の非言語コミュニケーションが大きなカギとなります。特に視覚情報が大切ですが、電話では表情やボディーランゲージが読み取れない分、相手の反応がわかりづらく、普段の会話より神経を使います。
こうした負担から「電話をしたくない」と思い、やがて電話自体を避けるようになるのです。
用件やかけてきた相手が事前にわからないので不安
事前に約束があった場合を除き、電話は突然かかってきます。電話を取った時点では、話の内容はわかりません。また登録していない番号の場合、かけてきたのは誰かもわかりません。話す内容を事前に準備しておくことができないので、臨機応変に対応する必要があります。
ビジネスの場では、曖昧な返事は避けたいところ。できうる限り正確な情報を、迅速に提示することが求められます。そのプレッシャーが、電話への恐怖につながるのです。
自分のペースでなく、瞬時に反応しなければいけない
ビジネスでは相手を待たせないのが基本、とは思うものの、聞かれた内容によっては、すぐには返答できないこともあります。確認に集中したくとも、電話中は基本的に話し続けなくてはいけません。そのため電話を取る前から、きちんと対応できるかどうか不安になってしまうのです。
事前に準備ができず、すぐに反応しなくてはいけないことが、電話が苦手な人には大きな苦痛となります。
周囲の人に対応を聞かれる自信がない
電話で話す自分の声は、意外と周りにも聞こえます。オフィスや公共の場などで電話対応をするときには、周囲の人の耳も気になりますよね。
話し方やビジネスマナーが正しいかどうか、間の取り方や説明の仕方が適切かどうか、周りに確認されているような気になることもあるかもしれません。上司が側にいればなおさらです。
電話をするのが怖い人の特徴
電話をするのが怖いと感じる人もいれば、何とも思わない、余裕だという人もいますよね。その違いはどこにあるのでしょうか。
次は電話が怖いという人に見られがちな、性格的な特徴を見ていきましょう。
緊張しやすい人
普段から緊張しやすいタイプの人は、電話をするのも気を張ってしまいます。
事前に回答が用意ができず、かかってくるタイミングも相手もわからないとなれば、心の準備もできません。緊張しやすい人にとって、電話対応は苦難の連続なのです。
周囲からの評価が気になる人
周りの人に話を聞かれるかもしれない状況で話をすることは、他人の評価が気になる人にとってもつらいことです。
ちょっとした言い間違いも聞かれると思うと、余計に普段通りの会話ができなくなります。
電話や業務に慣れていない人
会話自体は得意でも、電話業務に慣れていないと、やはり緊張します。やり慣れていない仕事は神経を使うので、強い疲労感を抱くことも。
電話対応時の社内フローや、保留、転送といった固定電話機の操作方法などを知らないことも、電話を避けたくなる理由になります。
コミュニケーション能力が高く、緊張しづらい人でも、慣れない電話対応は「嫌だ」と感じやすいのです。
電話恐怖症の克服方法
「電話が怖い」という状況を克服するには、どうしたら良いのでしょうか。ここでは、改善するためのアイデアを紹介します。「不安を感じずに、電話対応ができるようになりたい!」という人は、ぜひ試してみてくださいね。
電話や着信が怖い理由を分析する
まずは自分がどうして電話が怖いのか、その理由を分析します。知らない相手からの電話が怖いのか、電話機の操作方法がわからないのか、業務に慣れてないだけなのか、電話をかけるのは平気だが受けるのが苦手なのかなど、理由によって対策も異なります。
頭の中で電話対応のシーンをシミュレーションしてみて、どのような状況で不安を感じるのか、何が原因なのかを探ってみましょう。そうすることで、克服すべきポイントが見えてきますよ。
克服する決意をする
「電話が怖い」と感じる理由がわかったら、次に大切なのは「克服する決意をすること」です。ただ「電話が怖い」と思っているだけでは、状況は改善しません。
まずは自分自身に向けて克服する決意を宣言し、そのために行動すれば、だんだんと自信がついてくるはずです。
電話対応が上手な人のまねをしてみる
「どうしたらいいのかわからない」という状況になることが、電話への不安を増幅させます。電話の「どうしよう」を減らすためには、自分なりの電話対応の方法をしっかり確立しておくことが大切です。そのために、まずは電話対応が上手な人の話し方をまねしてみましょう。
どんなことも、最初はうまい人をまねることがマスターへの近道です。電話も同じこと。対応が上手な人の話し方や手順をお手本にすることで、「どうしよう」を減らせます。ビジネススキルも向上して、一石二鳥です!
電話対応のコツを知り、自分なりの対応マニュアルを作る
自分なりの電話対応マニュアルを作ってみるのもおすすめです。といっても、きちんとした体裁に整える必要はありません。最初の挨拶や良く使う言い回しを簡単にまとめておくだけでも、電話対応はぐっとスムーズになります。
電話対応をシミュレーションし、想定問答集を用意するのもいいでしょう。特によく聞かれる問い合わせは付箋にメモして、電話の周りに貼っておくと落ち着いて対応ができるようになります。
また、電話対応におけるより詳しいコツを下記の記事で詳しく紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
とにかく数をこなして、電話に慣れる
電話への恐怖を減らすには、最終的には「慣れる」ことが重要。怖いと思って電話を避けるのではなく、とにかく経験を積むことで、成功体験が増え、電話への恐怖が薄れていくでしょう。
電話対応がうまい人をまねてマニュアルを作ったら、あとは数をこなしましょう。
電話が怖い理由について、ポジティブに考えてみる
それでも「電話が怖い」と思うときは、その理由について、もう一度考えてみましょう。
「失敗が怖い」なら、あなたは「仕事を慎重に進める」タイプなのかもしれません。「相手の機嫌がわからない」のは「相手のことをよく考えている」ということ。電話が怖い理由を自分の長所としてポジティブにとらえることができれば、不安に感じずに済むかもしれません。
また、知らない人からの電話は新しい出会いのチャンスでもあります。人と話すこと自体は好きな人なら、「どんな人と話せるのかな?」と考えると、電話が少し楽しくなるはずです。
番号を登録し相手の名前を表示したり、着信音を変更したりする(携帯電話の場合)
携帯電話では、電話番号を登録しておけば、通話の前にかけてきた相手の名前を確認できます。誰からの電話なのかがわかれば、内容も推測できるかもしれません。また、心の準備もしやすくなります。
さらに着信音を変更しておくのもいいでしょう。名前を見る前から相手がわかるので、その分、落ち着いて電話に出ることができるでしょう。
個人ごとに設定するのが面倒であれば、「仕事」「友達」「家族」といった、グループごとに着信音を決めておくのもおすすめです。最初に音で確認しておけば、「友達だと思って出たら上司だった!」というようなどっきりを避けることができますよ。
電話をするのが怖い人も、練習すれば克服できる可能性がある
知らない人から突然かかってくる電話に完璧に対応するのは、誰にとっても難しいことです。
着信が聞こえるだけで震えるような電話恐怖症に陥ってしまったら、まずは落ち着くことが大事。自分を責めず、不安に思うこと自体を受け止めることが、克服する第一歩です。
無理せず、少しずつ練習を重ねて、恐怖を克服しましょう。