3月23日(土)に開催された「ツタロックフェス2024」。フレデリックのライブレポートをお届けする。
「フレデリックの出番が始まりました。幕張、そんなもんですか⁉ 一人残らず巻き込んでいくぞ!」
もしかしたら筆者が彼らに対する認識をアップデートできていないだけかもしれないのだけれど、この日、フレデリックが40分のステージでこれでもかと見せつけたのは挨拶代わりに三原健司(Vo, Gt)が言った前掲の言葉をはじめ、バンドとしてさらに逞しくなった姿だった。
「幕張、そんなもんですか⁉」と健司が煽って、スタンディングの客席をいきなり揺らしていった1曲目の「スパークルダンサー」から、高橋武(Dr)がジャズっぽいフレーズをラウドに鳴らしながら、なだれこむように「銀河の果てに連れ去って!」に繋げると、怒涛のリズムアプローチで観客の気持ちを煽りに煽った上で「飄々とエモーション」を投下。「さあ、聞かせてくれ!」と声を上げた健司の言葉に観客がシンガロングで応え、早くも3曲目にしてクライマックスという言葉がふさわしい景色を作り出す。
「歌えるやん、幕張!」(健司)
もちろん、そこで息切れしてしまうフレデリックじゃない。
アップテンポの「名悪役」を挟むと、「若手のつもりだったけど、今日のメンツを見たら新しい風が吹き始めててめちゃめちゃいいイベントになりそう。今のところ最高じゃない? 先輩後輩関係なく誰もが食ってやろうと考えているようです。俺達も負けられない。フェスを守って来たバンドとして、残りの3曲で俺達の芯を楽しんでいただきたい。まだまだ足りない気がするので、どんどん熱を上げていきます」と健司が宣言。
シンセの音色を重ねたイントロのリフをはじめ、赤頭隆児(Gt)が印象的なプレイを幾つも閃かせるタテノリのファンクナンバー「Wake Me Up」、三原康司(Ba)がベースをスラップする「ジャンキー」と間髪入れずに繰り出していき、再び観客をジャンプさせる。「Wake Me Up」には、いったん演奏を落としてから、じわじわと、そしてぐいぐいと盛り上げるアレンジが加えられ、ライブバージョンとしてさらに磨きを掛けた印象も。
「あと1曲で、さらに最高の1日を作ります!」(健司)
今一度、健司が宣言する。さらに最高の1日を作り上げるラストナンバーは何だろう、と考える間もなく、赤頭が奏でた印象的なリフに観客の盛り上がりは一瞬で最高潮に!
ラストを飾ったのはリリースから10年を経てもなお、セットリストに生き残り続けている「オドループ」。シンガロングや手拍子を交え、観客が参加できるアンセムに育ててきた、その「オドループ」を、この日、フレデリックは「サビの歌詞忘れたかも。歌える人、全員で歌ってもらえる!?」という健司による演出も含め、音源通りであることにこだわらないアプローチで披露。ここでもライブ・バンドとして、さらに自由になってきたことを印象づけたのだった。
ギターをプレイしながらステージを走り回る赤頭もとことん自由だ。
そして、4人の演奏はぐんぐんとテンポアップしていき、その熱度が頂点に達したところでエンディングを迎えたのだった。
「改めまして、俺達がフレデリックです!」
それは彼らなりの勝利宣言だったのだろう。
「フレデリックは2024年もこうやって戦っていきます。一緒に音楽を楽しんでいきましょう!」(健司)
内に秘めてきた闘志を言葉にするその姿が筆者には新鮮に映ったのだった。
<イベント情報>
Vポイント presents ツタロックフェス2024
公演日:2023年3月23日(土)、24日(日)
会場名:幕張メッセ国際展示場 9・ 10・ 11ホール
主催:CCCミュージックラボ(株)/ライブマスターズ(株)
企画:CCCミュージックラボ(株)
制作:ライブマスターズ(株)
運営:(株)ディスクガレージ
特別協賛:CCCMKホールディングス(株) / 三井住友カード株式会社
問い合わせ: https://cccmusiclab.com/tsutarock2024
<公式SNS>
Twitter:https://twitter.com/tsutarocklive
instagram:https://www.instagram.com/tsuta_rock_live_official/