米Microsoftは現地時間2024年3月21日、オンラインイベント「Advancing the new era of work with Copilot」を開催した。イベント名を意訳すると「Copilotで新しい時代の仕事を進める」。当初はSurfaceシリーズの新モデルが主題とささやかれていたが、ここでもCopilotだった。
Copilotのプレゼンテーションを担当したMicrosoft CVP, AI at Work, Jared Spataro(ジャレッド・スパタロ)氏、Windows 365の利点をアピールするMicrosoft, Senior Director, Windows Enterprise, Melissa Grant(メリッサ・グラント)氏のパートは割愛し、本命の「Surface Pro 10 for Business」および「Surface Laptop 6 for Business」が発表されたパートを紹介しよう。
Surface Pro 10 for Business/Surface Laptop 6 for Businessのプレゼンテーションを担当したのは、Brett Ostrum(ブレット・オストラム)氏とNancie Gaskill(ナンシー・ガスキル)氏。いずれも肩書きにSurfaceを含む責任者だ。製品名が示すように、いずれも法人向けである。
スペックや価格はMicrosoft Storeのページ(Surface Pro 10 for Business、Surface Laptop 6 for Business)を合わせて参考にしてほしい。
本稿ではスペックから読み取りにくいポイントを取り上げていこう。まずSurface Pro 10 for Businessは、前モデルに比べてコントラスト比が33%高いディスプレイを採用している。Gaskill氏の説明によれば、「反射防止技術を備えて、ユーザーの視覚体験を最適化する設計を施した。どのような照明下でもクリアで鮮やかな画像を提供する」という。
フロントカメラにも改良を加え、NPUを用いたAI機能や自動切り出しを行うオートフレーミングと114度の視野角調整を装備。全体性能は前モデルと比較して53%高速化したとしている。
一方のSurface Laptop 6 for Businessは、Intel Core Ultra Hプロセッサーを搭載することによって、前モデルから約2倍の性能アップを実現。フロントカメラはSurface Pro 9 Businessと同様の性能と思われるが、13.5インチまたは15インチディスプレイは最大50%の反射を低減するという。
Surface Laptop 6 for Business固有の特徴としては、Windows StudioのNPU対応だろう。Windows Studioは各所にAI機能を用いて効果を施す機能群を指す。たとえば、オンライン会議のときは背景画像のボカシや視点調整、拡大・縮小の自動調整を行う。目立った機能ではないが、毎日のようにMicrosoft Teamsでオンライン会議に参加しているユーザーには有用だろう。
総じて見ると順当な性能強化だ(悪く言えばジャンプアップの驚きはなかった)。NPU活用が目立たないのはWindows 11側の問題だろう。このあたりは5月開催予定のBuild 2024か、Windows バージョン24H2に関するアナウンスを待つことになる。
Surface Pro 10 for Business/Surface Laptop 6 for Businessは、2024年4月9日から米国などで出荷を開始。日本が含まれるかは未発表だが、Microsoft Storeを確認する限り、海外と同様に購入できるようだ。
さて、気になる一般ユーザー向けのSurface新モデルだが、ハードウェア性能は今回の2モデルと基本的に変わらないと思われる。あとは価格だ。Surface Pro 10 for Businessは、Intel Core Ultra 7 165U・16GBメモリー・256GB SSDで285,780円、Surface Laptop 6 for Businessは15インチ・Intel Core Ultra 7 165H・16GBメモリー・256GB SSDで318,780円。一般ユーザー向けの新しいSurfaceの購入を考えている方々は参考にしてほしい。