米Googleは3月21日(現地時間)、Androidの次期バージョン「Android 15」の開発者向けプレビューの第2リリース「Android 15 Developer Preview(DP) 2」を公開した。DP1が「電力効率とパフォーマンスの最適化」「プライバシー保護とセキュリティ強化」といったアップデートの方向性を示すリリースだったのに対し、DP2では衛星メッセージング対応が追加され、計画されている他の新機能や変更・強化にも開発者がアクセスできるようになり始めた。Android 15では、メディア機能、AI処理、プレミアムデバイス向けの改善などが強化ポイントになっている。

Android 15では、衛星を介したメッセージの送受信をサポートし、RCSはAndroidの「メッセージ」に制限されるが、SMS/MMSは他のメッセージアプリも衛星通信を利用できるようになる。衛星接続を一貫したユーザー体験になるようにOSでサポートする計画で、ServiceState.isUsingNonTerrestrialNetwork()を使用して、デバイスが衛星に接続されていることをアプリが検出できる。

アプリの体験を高めるアップデートとして、DP2には、PdfRenderer APIの大幅な改善の初期プレビューが含まれている。アプリは、パスワード保護されたファイルのレンダリング、注釈、フォームの編集、検索、選択してコピーなど様々な機能を取り入れることができ、またリニアライズドPDFの最適化がサポートされ、ローカルPDFの閲覧速度が向上し、リソースの使用量が抑えられる。

TextViewで改行をよりきめ細かくコントロールできる。例えば、タグを用いて、以下のように「Pixel 8 Pro」という製品名の途中で改行されないように指定できる。

NFCのTap to Payをよりスムースな体験にするために、対応するデバイス上でNfcAdapterにobserveモードに入ることを要求できる。デバイスはNFCリーダーに反応せずにlistenだけになり、アプリのNFCサービスにPollingFrameオブジェクトを送信して処理する。PollingFrameオブジェクトは、NFCリーダーとの最初の通信前に認証を行うのに使用でき、それにより多くの場合でワンタップの取引が可能になる。

Android 15では、折りたたみ端末向けの改善も行われる。例えば、アプリ実行の対象ではなかったフリップ型のデバイスのカバーディスプレイに対して、アプリが特定のプロパティを宣言することで、アプリやアクティビティを表示できる。

SDRコンテンツがほとんどのページにHDRコンテンツが含まれるとSDRコンテンツの明るさが影響を受ける問題について、setDesiredHdrHeadroomを使ってHDRヘッドルームを制御できるようにした。それにより、開発者がアプリ内のSDRとHDRコンテンツの表示品質のバランスをより細かく調整できる。

  • 左がSDRコンテンツのビュー、右はSDRとHDRが混在して表示が影響を受けている状態。HDRヘッドルームを設定することでこれを解消できる。

オーディオの音量を制御するための規格CTA-2075をサポートし、アプリ開発者は、コンテンツごとの音量のばらつきなど音量の不一致を和らげ、より一貫性のあるオーディオ体験をユーザーに提供できるようになる。

プライバシー関連では、アプリが画面録画されていることを検出するサポートが追加される。この機能により、機密性が求められるアプリにおいて、使用中に画面録画が行われている場合、ユーザーに録画されていることを知らせることができる。