クイジナートはアメリカの代表的な家庭用調理家電メーカーのひとつ。いまでは当たり前のように店頭で見かける「ハンドブレンダー」を、日本でいち早く販売したメーカーです。そのクイジナートが3月下旬から「コードレス充電式ハンドブレンダー(RHB-1070J・RHB-1020J)」を新たに発売します。

新製品の特徴は名前の通りコードレスであること。しかも、珍しい置き型の充電台が付属し、充電が手軽です。クイジナートのプレス向け体験会で発売前の実機に触れてきました。

  • 新製品の「コードレス充電式ハンドブレンダー」。2種類のアタッチメントが付属するRHB-1020Jと、4種類のアタッチメントが付属するRHB-1070Jがあります。写真は付属品が多いRHB-1070Jで、推定市場価格は18,700円前後。RHB-1070Jは14,300円前後です

  • 写真は「潰す、混ぜる」ができるブレンダーアタッチメント装着時。アタッチメントを変えることで、泡立てる、みじん切りなど、さまざまな調理に対応します

ハンドブレンダーの使いにくさを解消

ハンドブレンダーとは、かくはん調理を行うスティック状の家電です。機能的にはいわゆる「ミキサー」に近いですが、ミキサーのような専用カップは必要がありません。鍋やコップ、ボウルの中で食材を直接かくはんできるため、洗い物が少なくてすみ、手軽に使えることが特徴。

ミキサーは使用後の洗浄が面倒で「買っても使わなくなる家電」に挙げられがちですが、ブレンダーはその手軽さから継続利用する家庭が多いという調査結果もあります。一方で、「手軽に使えるだけに電源コードがジャマに感じる」という声もありました(この2年ほど少数ながら充電式の製品も登場しています)。

  • 新製品のコードレス充電式ハンドブレンダーを手にするマイナビニュース +Digitalの林編集長。ブレンダー使用時のサイズは幅60×奥行き65×高さ375cm、重さは530g。充電式のハンドブレンダーとしては軽くて使いやすい!

  • 写真は基本モデルのRHB-1070J。アタッチメントとshちえ、ブレンダーとウィスク(泡立て器)を付属。上位モデルはさらにチョッパーとおろしディスクが付属します

現在、コードレスハンドブレンダーの多くは充電時にプラグを差し込むタイプです。使い終わったあとに洗って、「手が濡れてるからあとで充電しよう」などと思って忘れてしまい、次に使うとき充電切れ……いうこともありがち。

今回のRHB-1070J・RHB-1020Jは、本体とブレンダーアタッチメントを置くスタンドがそのまま充電台になり、置くだけで充電できます。これなら充電切れの心配はありません。充電時間は約1時間45分。1回の充電でトータル約13分間の稼動です(定格稼動時間は1分)。実際にRHB-1070J・RHB-1020Jを使ったスタッフによると、約40杯分のスムージーを充電なしで作れたそうです。

  • ブレンダーと本体を置くスタンド部が充電台に。スタンド裏側にUSB Type-Cケーブル用のコネクターがあります

  • ブレンダーを置くスペースはカバーを取り外し可能。丸洗い対応ということで、汚れたブレンダーの一時置き場としても優秀!

もうひとつの注目ポイントは「シャフト(ブレンダーの軸)まで丸洗いできる」という点。ハンドブレンダー製品のほとんどは「本体とアタッチメントの接続部分」は水で濡らせませんが、RHB-1070J・RHB-1020Jはアタッチメント接続部分も水でジャバジャバ洗えます(洗剤は使えません)。軸部分を濡らさないように洗うのはなかなか大変なので、気にせず水洗いできるのはありがたいですね。

  • 本体とアタッチメントの接続部。この部分を濡らしてもよい製品はほとんどありません。これで洗うときのストレスが減る!

安全性への配慮もあります。安全ロック解除ボタンを押し、数秒以内に動作レバーを操作しないと動かない仕組み。調理に興味を持った子どもが万が一レバーに触れても、不意に動作したりしません。

  • 動作レバー下の安全ロックボタンを押すと、本体上面が緑色に点灯。点灯時にレバーを引くと動作します。レバーを引く強さにあわせてパワーを選べます(3段階)

魅力的な時短調理の数々、10分で本格的なカレーまで!

体験会ではRHB-1070J・RHB-1020Jを使った調理も披露。たとえば、タマネギと調味料を一緒にかくはんするだけで完成する「たまねぎ剥いたら30秒ドレッシング」。タマネギのドレッシングは自分で作ると「タマネギをすりおろす」「酢と油を(かき混ぜて)乳化させる」など力と時間が必要で面倒な作業ですが、ブレンダーなら材料を容器に入れてかくはんすればアッという間にできあがります。

  • 製品に同梱されるレシピブックの料理を考案したのは、料理研究家の沙希穂波さん。参加者の目の前でデモンストレーションしてくれました。すべてレシピブックに掲載されている料理なので、製品を買ったらすぐに作れます

  • タマネギ、お酢、オリーブオイル、砂糖、マスタード、塩胡椒を付属のカップに入れ、ブレンダーで5秒ほどかくはん。混ざりにくい酢と油が、市販のドレッシングのように白くキレイに混ざりました(写真右)。付属カップにはフタもあるので、このまま冷蔵庫で保存もできます

新製品のRHB-1070J・RHB-1020Jは付属品の違いで2モデルありますが、異なるのはフードプロセッサーとして利用できる「チョッパー」と「おろしディスク」の有無。チョッパーがあれば面倒な食材のみじん切りをアッという間に終わらせてくれます。

そこで、チョッパーを使った「高速!キーマカレー」のデモンストレーションも。このレシピでは、タマネギをみじん切りからトマトのペースト化、さらには余っているコマ肉をミンチにするまで、すべてをひとつのチョッパーで調理しました。

  • 材料はタマネギ半個にトマト一個、冷蔵庫に余っている半端な牛とブタのコマ肉を合わせたものなど。ガラムマサラとカレー粉こそ必要になるものの、基本は家庭にありそうな材料ばかり。写真の量で2人分です

  • 上位モデルに付属する「チョッパー」を使ってタマネギをみじん切りに。タマネギ半個は7秒ほどでキレイなみじん切りになりました。かくはん時間でみじん切りの細かさを調整できます

作り方もシンプル。まず、チョッパーでみじん切りにしたタマネギと生姜をフライパンで炒めます。炒めている間にチョッパーでトマトをペーストにして、フライパンのタマネギがしんなりしたらトマトペーストを投入。

すかさずチョッパーで肉をミンチに加工し、トマトの水分が半分ほどになったら肉を入れます。肉にある程度火が通ったら、カレー粉や調味料を入れて味を調えて完成! 加熱の合間に効率良くチョッパーを使って作業できるため、カレーのルーを使わずに、10分もかからずにキーマカレーが完成しました。

  • ザクザクと適当な大きさに切った肉が10秒ほどのかくはんでミンチ肉になりました

  • 今回のデモでは使いませんでしたが、チョッパーの刃を「おろしディスク」と交換することで、大根おろしなどの下ごしらえも可能です

調理デモのあとはもちろん試食。10分かからずに完成したカレーの味が気になります。実際に食べてみると、スパイシーでしっかり肉感もあるお店みたいな味のキーマカレーでした。野菜がたっぷり入っているからか、コンソメなどは入れていませんが旨みも感じます。

  • 「高速!キーマカレー」や「たまねぎ剥いたら30秒ドレッシング」を試食する林編集長。「キーマカレーはコクが控えめなぶん、スパイスの刺激と旨みをしっかり感じます。これを10分で作れるのは目の前で見ても驚き。ドレッシングはタマネギのピリッとした味がアクセントになって、野菜がすすむすすむ」

ちなみに、クイジナートはアメリカのメーカーですが、今回のRHB-1070J・RHB-1020Jは日本向けに企画された製品。海外では「大量の硬いチーズを一気に粉にする」といった用途があるため、ブレンダーに「硬いモノを砕く強さ」が求められます。

一方の日本では、離乳食やスムージー、野菜のみじん切りなどに使われることがほとんど。「硬いモノを砕く力」よりも「混ぜる力の強さ」が重視されるそうです。そこでRHB-1070J・RHB-1020Jは、食材が力強く混ざるようなブレンダーデザインを採用したため、氷といった硬いモノの調理は推奨していません。

  • ブレードガードの脇には吸引力を調整する溝や穴。これらによって、効率的にすばやく食材が混ざるそうです

【動画】水をかくはんすると、水の中に力強い渦が発生。パワーの強さがわかりますね(音声が流れます。ご注意ください)

ハンドブレンダーはもともと料理の下ごしらえや時短に力を発揮する家電でしたが、RHB-1070J・RHB-1020Jはコードレスということで使い勝手が一層アップ。置き型の充電台も便利で、ハンドブレンダーをキッチンに出しっぱなしにしやすくなりました。いつでも手に取りやすい位置にブレンダーがあることで、活用する機会と料理のレパートリーが増えたらいいですね。