JR東海管内で活躍した211系(5000番代)が三岐鉄道の富田駅構内に現れ、鉄道ファンらの注目を集めている。3月22日の午前中、富田駅構内で211系の入換作業が行われた。三岐線の車両基地がある保々駅でも211系を見ることができた。
211系は国鉄時代末期からJR発足初期にかけて製造された直流近郊形電車。現在、JR東海管内で活躍する211系(5000番代)はすべて同社発足後に新製された車両だが、今後は315系の順次投入にともない置換えが計画されている。
そんな中、SNSの投稿等で、211系の「三岐鉄道譲渡」が話題に。複数の投稿をもとに内容をまとめると、静岡車両区所属だった211系5000番代のうち、まず2編成(SS2編成、SS3編成)が自走で回送され、3月20日未明に富田駅へ。うち1編成(SS2編成)が3月22日未明、三岐線の車両基地がある保々駅へ輸送されたという。続いて3編成(SS7編成、SS8編成、SS11編成)が自走で回送され、3月22日未明に富田駅へ。同日午前中、三岐鉄道の機関車(ED451・ED452の2機)を使用して入換作業が行われ、3編成をそれぞれ富田駅構内に留置した。
3月22日の日中時間帯、三岐鉄道の富田駅構内で計4編成(SS3編成、SS7編成、SS8編成、SS11編成)、保々駅構内で1編成(SS2編成)を見ることができた。いずれも「湘南色」(オレンジ色・緑色)の帯をまとった外観だが、車体前面の帯が色あせている編成も多かった。現時点でJR東海・三岐鉄道ともに正式な発表はないが、三岐鉄道に渡った211系がどのような姿になるか、三岐線での走行はいつ頃になるかなど、興味は尽きない。
三岐鉄道は三重県北勢地方を中心に鉄道事業(旅客・貨物)等を展開しており、三岐線と北勢線の2路線を有する。三岐線は近鉄富田~西藤原間で旅客列車を運行するほか、JR線と接続する富田駅から東藤原駅まで貨物輸送も行う。現在、三岐線の旅客列車は西武鉄道からの譲渡車両により運行され、かつて西武鉄道で見られた「赤電」塗装を再現した編成も活躍している。