ライオンは、感染症の感染経路のひとつと考えられる家庭内感染について、新型コロナウイルス感染症を事例として家庭内での対策について調査結果を3月19日に発表した。同調査は、2023年7月28日~29日の期間、20~69歳男女で同居家族がおり、自分または家族が新型コロナウイルス感染症に感染した人で、家庭内感染があった・なかった人各480人を対象に、インターネットを用いて行われた。
感染者発生時の気持ちを尋ねると、「他の同居者にはうつらないようにしたいと思ったし、可能だと思った」と回答した割合が、家庭内感染「しなかった家庭」で29%だったのに対し、「した家庭」では9%、逆に「うつるのは仕方ないと思った」と回答した割合が「しなかった家庭」で20%、「した家庭」では25%と、感染者発生当初の家庭内感染予防に対するモチベーションの高さや、家庭内感染予防をあきらめない気持ちに差があったことがわかった。
また、感染対策時期について、「感染者と接触した」または「体調に違和感を感じ始めた」の比較的早期の段階から感染対策を始めた割合は、家庭内感染「しなかった家庭」で43%に対し「した家庭」で34%、平均対策期間もそれぞれの家庭で6.7日と4.6日と、家庭内感染「しなかった家庭」の方が早くから対策を始め、対策期間も長い傾向となった。
さらに、7つの生活シーン別に個別の感染対策について実施したかを質問した計116項目中102項目で、家庭内感染「しなかった家庭」の方が「した家庭より」対策実施率が高かったという結果も得た。これらから、様々な感染対策を早めに、感染を防ぐ強いモチベーションを持って実施することが、家庭内感染の防止につながると同社は考える。
洗面所や歯みがきに関して15項目の対策について質問したところ、実施率上位は「タオルを共用しない」「感染者と非感染者は使用時間を分ける」「歯みがき(口すすぎ)用のコップを共用しない」「ハミガキを共用しない」だった。これらは家庭内感染「しなかった家庭」と「した家庭」での実施率の差が大きい項目でもあった。