米Mozillaは、3月19日(現地時間)にWebブラウザ Firefoxの新バージョンとなる「Firefox 124」をリリースした。Firefox 124は、Firefox 123からいつもと同じ4週間でのバージョンアップとなった。Firefox 123では、2023年3月5日にマイナーバージョンアップの123.0.1がリリースされている。123.0.1では、以下の修正が行われた。
- アドレスバーの翻訳言語インジケーターが、言語コードアイコンの代わりに色付きの四角いアイコンを表示する問題の修正
- Windows版:Canvas2Dの円錐グラデーションのおいて、レンダリングで正しく色が表示されない問題の修正
- textarea HTMLフィールドの値をクリアするときに、onChangeイベントが発生しない問題の修正
- FlatpakパッケージとしてFirefoxがインストールされているLinux環境でシステムレベルの辞書の利用可能に
- JavaScript JITエンジンで、リグレッションにより文字列を誤ってインライン展開する問題の修正
- 開発者ツールのストレージパネルで行を選択するときに、テキストのコントラストが低い問題の修正
セキュリティアップデートは行われなかった。今回は、123.0.1からのアップデートとなる。
Firefox 124のインストール
すでに自動アップデートが可能な状況になっているが、ここでは手動でアップデートする方法を説明したい。Firefoxメニューの[ヘルプ]→[Firefoxについて]を開くと更新が自動的に開始される。[再起動してFirefoxを更新]をクリックする(図1)。
アップデート後のFirefox 124は、図2のようになる。
新規に、Firefox 124をインストールする場合、FirefoxのWebページからインストーラをダウンロードする(図3)。
[Firefoxをダウンロード]をクリックし、保存したファイルをダブルクリックして、インストールを開始する(図4)。
画面の指示に従い、インストールを進めてほしい。以下では、新機能のいくつかを具体的に見ていこう。
Firefox 124の新機能
続いて、新機能であるが、以下のとおりである。
- PDFビューアで、キャレット(カーソル)ブラウズモードが機能するように
- Firefox Viewで、開いているタブを[最近表示した順で並べ替え]、[タブの並びで並べ替え]の選択が可能に。デフォルト設定は、[最近表示した順で並べ替え]
- Windowsタスクバーのジャンプリストをより効率的に表示できるように。結果として、ブラウジングエクスペリエンスがよりスムーズに
- macOS版:フルスクリーンAPIを使用するように。この結果、フルスクリーンスペース、メニューバー、およびDockにおいてエクスペリエンスがより高まる
- Firefox 124以降、Qwantの利用可能範囲が、ベルギー、イタリア、オランダ、スペイン、スイスに加え、フランス地域のすべての言語に拡大
地味ながら、基本機能に関わる修正が行われた。
セキュリティアップデート
同時に行われたセキュリティアップデートであるが、修正された脆弱性はCVE番号ベース で12件である。深刻度の内訳は、4段階で上から2番目の「Critical」が1件、4段階で上から2番目の「High」が5件、4段階で上から3番目の「Moderate」が5件、4段階で上から4番目の「Low」が1件となっている。
「High」以上では、
- Windows Error Reporterがサンドボックスエスケープベクターとして使用できる可能性
- WASMレジスタ値の誤った処理
- JITコードがArmv7-Aでリターンレジスタを保存できない問題
- 整数オーバーフローにより境界外書き込みが発生する可能性
- Firefox 124、Firefox ESR 115.9、Thunderbird 115.9で修正されたメモリ安全性の問 題
- Firefox 124で修正されたメモリ安全性の問題(Critical)
などが対応された。すみやかなアップデートをすべきであろう。