箕面市と北大阪急行電鉄は20日、箕面市立文化芸能劇場にて、3月23日に開業する南北線延伸線(箕面萱野~千里中央間)の記念式典を開催した。式典後、会場の最寄り駅にあたる箕面船場阪大前駅から箕面萱野駅までの区間で試乗会も行われた。
記念式典では、箕面市青少年吹奏楽団による記念演奏の後、南北線延伸線が乗り入れる箕面市の市長、上島一彦氏が挨拶。「北急の延伸はさまざまな経済効果があり、初期効果として2,324億円、そして年間614億円の経済波及効果があります。2駅で1日4万5,000人の乗降客があり、人口も4,500人増やすことをめざしています」と具体的な数字を列挙し、南北線延伸線の意義を語った。
北大阪急行電鉄代表取締役社長、内芝伸一氏も挨拶し、「当社は1970年に万博会場への輸送を目的に設立されました。そして来年、大阪で2度目の万博が開催されます。この時期に延伸線が開業することは、なにかの縁だと感じています」と述べた。式典では、南北線延伸線の工事の様子等を記録した紹介映像の放映も。構想から半世紀を経て開業する意義を改めて感じる内容だった。
記念式典の後、試乗会の列車が箕面船場阪大前駅から箕面萱野間まで1往復した。箕面船場阪大前駅は、駅名に「阪大」が入ることからもわかるように、大阪大学箕面キャンパスの最寄り駅である。記念式典の会場となった箕面市立文化芸能劇場が入る複合公共施設は、新駅開業に先立ち2021(令和3)年にオープンしている。
箕面船場阪大前駅は地下の中間駅となり、1面2線のホームを有する。試乗会に用いられた車両は9000形「ゆずるとモミジーヌ仲良しトレイン号」(9005編成)だった。南北線延伸線のうち、箕面船場阪大前駅および同駅から箕面萱野駅までの区間は箕面市と北大阪急行電鉄が整備。コンクリート構造物・駅舎等は箕面市、軌道・電気設備・駅内装等は北大阪急行電鉄が担当したという。
試乗会の列車は箕面船場阪大前駅を発車した後、地下区間を走るが、程なく地上に出る。箕面萱野駅に向けて走る中、進行方向左側に国道423号が見える。東西を結ぶ国道171号を横切り、新たな終着駅となる箕面萱野駅に着いた。箕面船場阪大前駅からの所要時間は2分だった。
箕面萱野駅は木のぬくもりを感じられるルーバー天井と壁を持つ1面2線の地上駅に。南北線延伸線の開業日、駅に隣接する「みのおキューズモール STATION棟」がグランドオープンを迎える。同じ日に阪急バスがダイヤ改正を行い、箕面萱野駅を拠点とした路線変更を実施。箕面萱野駅が新たな箕面市の「顔」となる。
南北線延伸線が開業する3月23日、営業初列車に合わせて出発式も行われる予定。箕面市と北大阪急行電鉄の長年の悲願であった南北線延伸線の開業が、いよいよ目前に迫ってきた。