「同情するなら金をくれ!」という衝撃的な言葉が一世を風靡したドラマ『家なき子』(日本テレビ)。子役ながらこのセリフを発して一躍ブレイクした安達祐実が、30年の時を経て本格的な恋愛ドラマに初主演している。
フジテレビの動画配信サービス・FODのオリジナルドラマ『愛してるって、言いたい』(毎週金曜20:00~最新話配信)で演じるのは、切ない恋やかなわぬ想いに向き合う39歳の独身女性。「大人の恋愛ラブストーリー」のオファーは全く想定外だったというが、「大人になってちゃんと自分で歩き始めて、一つ一つ夢や目標をかなえている感じは、今が一番しているかもしれないですね」と充実の日々を送っているという――。
子役出身からのイメージ脱却「すごくうれしい」
――本格的な恋愛ドラマの主演が意外にも初めてということですが、オファーを受けた際の心境はいかがでしたか?
恋愛ドラマに出演したとしても、自分が恋愛する役どころは少なかったんです。でも、この歳になって挑戦するというのは面白いなと思いましたし、こんな機会はこれから増えていくものでもないと思ったので、ぜひやってみたいと思いました。
――オファーがあっても断っていたわけじゃないんですね。
そういうわけでは全然ないんです。普通の人として恋愛をする役がこなくて(笑)。今回のドラマの中でも年齢の話が出てきますが、若い時に演じるのとはまた違うものがあると思うので、ちょっと恥ずかしいですけど、そういう自分を楽しめているので面白いですね。
――やはり子役のイメージが強いと、恋愛ドラマをオファーしにくいという事情もあったのでしょうか。
それもあると思います。子どもだと思っていた人を“女性”と捉えることは、ちょっと受け入れがたいものがあるのかもしれません。だから、だいたいの役者さんは20代とか30代で恋愛ドラマをやると思うのですが、私はそうはならなくて、違う方向になっていったんだと思います。
――そうすると今回のオファーが来たことには、従来のイメージを脱却して、さらに役の幅が広がる時期が来たという喜びもありますか?
私の中ではやりたい役がやれれば、どんなジャンルだろうと関係ないのですが、自由に何でもやれる心持ちというのがだんだん伝わっているのかなという感じがして、それはすごくうれしいですね。
「恋愛ってこういう切ない気持ちもあったな…」
――実際に演じて、共感する点はありましたか?
私は役と違って、結婚も出産もしていますし、離婚も経験していますが、「恋愛ってこういう切ない気持ちもあったな…」って思い出します。「人の気持ちって、言葉にしなくても分かるときがあるけど、やっぱりしっかり言わないと伝わらないよな」というのも、すごく思いながら演じていましたね。
――普段の安達さんは、きちんと言葉にして伝えるほうですか?
あんまり「言葉にしなくていいや」と思うタイプではないです。恋愛対象だけじゃなくても、思ったことは全部言葉にして伝えるほうだと思います。
――3人の男性との関係が描かれますが、それぞれの役者さんの印象はいかがですか?
(小池)徹平さんとは、空き時間にずっと子どもの話をしていました(笑)。親としての同志感があるんです。吉沢(悠)さんは色っぽいシーンも結構ある役どころですが、普段は奥手な雰囲気があって、かわいかったです(笑)
――櫻井海音さんとは、今回が初めてですね。
はい。すごく瞳がきれいで、お芝居の中で目が合うと本当に美しくて濁ってない目をしてるんですけど、実際にお話しするとちょっとおじさんっぽかったりして(笑)、ギャップが面白い人でした。
――第1話では、勤務中の病院内で吉沢さんに壁ドンされてシャワーをかけられるという印象的なシーンもありました。
衝撃ですよね(笑)。台本を読んでから撮影するまで、心配でたまらなかったです(笑)。それこそ漫画の世界じゃないですか。でも、現実には起きないけど、あったら素敵だなという場面があるのがドラマのいいところですからね。なかなかのシーンになっていましたけど、吉沢さんの大人の色気が爆発しています(笑)