【大谷翔平所属】ロサンゼルス・ドジャースってどんなチーム? 2024年シ…

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 2024年からロサンゼルス・ドジャースでプレーする大谷翔平。新天地から世界一を目指すこととなるが、近年のドジャースはレギュラーシーズンで圧倒的な成績を残すものの、ポストシーズンでは結果を出せず。打開策として昨オフ、大谷をはじめとする大型補強を敢行した。ここでは、今季のキーマンとなり得るドジャースの新加入野手を紹介する。

”最注目のユニコーン” 大谷翔平

 

 それはドジャースファンの、そしてフロントオフィスの悲願だった。2021年オフにコーリー・シーガー、22年オフにはトレイ・ターナー、同オフの盛況ショート市場には目もくれず、着々と大型契約を整理。年俸総額も、DHのポジションも空けて準備万端だった。球界トップの頭脳を持つ編成本部長のアンドリュー・フリードマンが”夢中になった”選手が、ついにドジャーブルーを身に纏う。ご存じの通り、MLB史上最高額の契約を結んだ球界の”ユニコーン”大谷翔平である。

 

 1勝の価格が800万ドル~900万ドルとされるMLBにおいて、年俸約4600万ドルの大谷は4勝~5勝分の価値を生み出す必要がある。守備によるプラスがないフルタイムDHとして大谷が並べるべき成績の目安となるのは、21年の大谷だろう。この年の大谷は打率.257 、出塁率.372、 46本塁打、OPS.965をマーク。米分析サイト『FanGraphs』の計算によると、5.1勝分の価値を生み出した。

 

 もちろん簡単なことではない。23年シーズンにOPS.965以上を残したのは、大谷自身を含めてたった6人。右肘手術からのリハビリを同時進行で行う必要もある。手術の詳細は明らかにされていないため、トミー・ジョン手術を参考とするが、一般的に打者がトミー・ジョン手術から復帰するのには9~12か月を要するとされており、22年9月に手術を受けたことを踏まえると、大谷の復帰時期は若干早めとなる。右肘手術が大谷の成績にどのように影響を与えるかは、全く予想できない。

 

 同じくトミー・ジョン手術を受けたスーパースターのブライス・ハーパー(現:フィリーズ)でさえ、手術後の23年は成績が若干低下。主要成績予想システムも、大谷の成績低下を予想している。

 

 

21年大谷: 打率.257 46本塁打 OPS.965

23年大谷: 打率.304 44本塁打 OPS1.066

 

ZiPS: 打率.259 38本塁打 OPS.904

Steamer: 打率.273 40本塁打 OPS.927

Baseball Reference: 打率.279 35本塁打 OPS.949

 

 一方で、ここからは主観でしかないが、大谷はこれらの予想を超えてくるのではないだろうか。大谷は誰もが認めるスーパースターであるが、MLBの名立たるスーパースターたちには不可能を可能にする力がある。

 

 22年に62本塁打を放ったアーロン・ジャッジは元々けがが多い選手だったが、本塁打記録に挑んだ22年は故障者リストに入ることはなかった。前述のハーパーも成績を落としたとはいえ、シルバースラッガー賞を受賞し、MVP投票でも12位に入った。

 

 スーパースターの権化のような存在の大谷も、二刀流の逆風を乗り越えて21年、23年にシーズンMVPを受賞して見せた。そんな大谷なら、けがなど物ともせず戻ってくるはずだ。

テオスカー・ヘルナンデス

 

 ドジャース打線を見ると、あることに気が付く。左打者が多いのだ。レギュラー格の選手では大谷、フレディ・フリーマン、マックス・マンシー、ジェームズ・アウトマン、ジェイソン・ヘイワード、ギャビン・ラックスが左打者なのだ。

 

 大谷やフリーマンは左右関係なく打つので問題ないが、マンシーやアウトマンは左右で成績に大きな差がある。昨季対左投手のOPSが.924だったJ.D マルティネス(現在もFA)が退団したことを踏まえると、できれば補強しておきたい。そこで白羽の矢が立ったのが、シアトル・マリナーズからFAとなっていたテオスカー・ヘルナンデスだ。

 

 

 ヘルナンデスは、過去3年間で対左投手のOPSが .977と、350打席以上を記録した選手の中では、MLB4位の好成績だ。2023年は打率.258、26本塁打、OPS.741と若干の成績ダウンとなったが、打球速度やバレル率などの数値は依然としてエリートレベルで、バウンスバックが期待できる。また、将来の大型契約をFA市場で勝ち取ることを見越しての1年契約を結んだので、本人もやる気に満ち溢れているはずだ。

 

 ドジャースでは主にレフトのレギュラー、左投手が登板する試合ではライトのヘイワードと交代での起用がメインとなるだろう。トロント・ブルージェイズ時代にはクラブハウスの盛り上げ役だったこともあり、プレー以外でも良いテイストを加えてくれるだろう。

ギャビン・ラックス

 

 ドジャースの補強リストを見ても、ギャビン・ラックスの名前はない。それもそのはず。ラックスはドジャースにドラフトされドジャースのファームシステムで育ち、メジャーデビューした。しかしラックスは、昨季のスプリングトレーニングのゲーム中において、送球をよけようとした際に転倒し、前十字靭帯を断裂する大けがを負った。このけがが理由で2023年シーズンを全休。実質的に24年の新戦力として考え、今オフの補強に含ませてもらった。

 

 ラックスは、19年にデビュー。当時はMLB70位、ドジャース内4位のプロスペクトだった。本職はショートだったが、21年まではコーリー・シーガー(現:レンジャーズ)、22年にはトレイ・ターナー(現:フィリーズ)がいたため、セカンド・外野などのポジションでのプレーを余儀なくされた。

 

 

 そして2人がFAで退団し、23年のショートはラックスか、と思われた矢先のけがだった。直後の会見でラックスは「ドジャースのショートになることは全野球選手の夢だ」と話し、悔しさを露わにしていた。

 

 再起を図る24年シーズンは、ショートがラックス、セカンドがムーキー・ベッツの予定だったが、スプリングトレーニングでラックスの送球難が想定より酷く、双方のコンバートが決まった。ベッツの負担軽減などの面からも、ラックスには早く送球難を克服してほしいところだ。

 

 打撃面では22年に打率.276、6本塁打、OPS.745とプチブレークを果たしたが、元トッププロスペクトとしてはパワー面での向上が欲しいところ。22~23年にかけて肉体改造にも取り組んだようで、明らかな違いが見て取れる。今季は大きな飛躍を期待したい。

 

 

 

【了】