3月16日、ついに北陸新幹線の金沢~敦賀間が開業!それを記念して、3月16~17日にかけて金沢駅・小松駅・加賀温泉駅の3駅で開業イベントが行われた。そのおめでたい祝福モードをリアルで味わおうと、今回はイベント初日に「加賀温泉駅」へと足を運んだ。
笑いあり、振る舞い酒あり、太っ腹なカニ汁あり。高すぎる"おもてなし度"に酔いしれたイベントレポートをお届け!
和テイストの新幹線駅舎が誕生
これまで東京から新幹線で行くと、金沢で乗り換えが必要だった加賀温泉郷。今回の延伸で北陸新幹線「加賀温泉駅」が開業したことにより、関東から楽々アクセスでき、気軽にふらっと温泉旅行に行けるようになった。
新しく完成した「加賀温泉駅」は、紅殻格子(ベンガラごうし)が美しい駅舎外観が特徴。コンコース上部にも、紅殻色を取り入れた粋なデザインになっている。
さらに待合室には、石川県の伝統工芸品・九谷焼のタイルを取り入れるこだわりも。居心地がよく石川らしい、訪れる人を引き付ける待合スペースとなった。
華やか&ほっこりなお出迎え
新幹線の改札を出ると、上品な加賀友禅をまとう和服姿の女性がずらり。「ようこそ石川・加賀温泉郷へ」の横断幕を持った人も出迎えてくれた。さすが人気観光地。改札を出た瞬間から、おもてなしモード全開だ。
また、地元の人のみにならず、レアな片山津温泉のゆるキャラ「かもやん」もお出迎え。カメラを向けると、かわいいポーズをとってくれて愛嬌たっぷり。
70を超える店舗が大集合
この日は暖かく絶好の行楽日和。軽い足取りで外へ出ると、テントブースには70を超える店舗が大集合。青空の下、地酒で杯を重ねたり、ご当時グルメを味わえたりするイートインスペースも用意されていた。
こんな気持ちよいロケーションで美酒美食に浸れるなんて、控えめに言って"最高……"ではないだろうか。
どれどれ?とテントをのぞいてみると、早速無料の振る舞い酒を楽しめるブースが。加賀の安産祈願で有名な「子安神社」保存会の人たちが、地酒「常きげん」と「大日盛」をそれぞれ紙コップに入れて、道行く人に「どうぞ~」と振る舞っていた。
無料と言っても、紙コップ3分の1ほどまで地酒がつがれ、もはや有料試飲レベル。しかも、おかわりまでくれるのだから、のんべえにはうれしすぎる!
ぐびぐびっと地酒を飲み干し、上機嫌で向かったのは「山中漆器祭コーナー」。ここは毎年、ゴールデンウィークに山中温泉で開催される「山中漆器祭」をひと足早く楽しめるスポットだ。
王道からモダンなものまで、さまざまな山中漆器が店頭に並ぶ。中には、ワンコイン以下で購入できるお得なアウトレット商品もあり、財布のひもがゆるゆるになってしまいそうだった。
山中漆器は、完全な分業制。漆を塗る前の木を削り出す職人を「木地師(きじし)」というが、ここでは木地師が一つひとつ丁寧に作る「木製ブレスレット」を2,000円で購入できるコーナーもあった。匠の技にふれ、職人の想いを知り、器そのものに目を向けられるステキな時間だった。
続いて、九谷結窯ブースに足を運ぶと、「呼吸する九谷焼」と呼ばれる新時代の九谷焼を発見。吸水性や速乾性に優れた焼き物で、コースターやアロマディフューザーとしても使えるのだとか。デザインもおしゃれだし画期的。特に、アロマが優しく香る「九谷焼のイヤリング」は、アクセサリー好きの人にぜひ知ってほしい!
会場内を漂うおいしそうな匂いにつられて、ふっと足を止めたのが、能登半島地震で被災した能登食祭市場の「鹿渡島(かどしま)定置」ブース。到着するやいなや、山盛りのカニに目がくぎ付けになった。
このカニの山の正体は「カニ汁」。実際に能登食祭市場でも提供されていたカニ汁を、ここでも提供しているのだとか。しかも、お値段なんと1杯500円。一口目から贅沢な気持ちになれるし、カニが半身も入ってワンコインはやっぱり安い。カニのうまみが染み込みまくって、心にまで沁みた。
続いては、カニとはまた違う香ばしい匂いが……! たくさんのお客さんが行列をなす先にあったのは、山中温泉からきた「サン食品カナモリ」ブース。驚きなのは、そのお値段だ。能登牛の串焼きが1本300円、つくねは1本200円とびっくり激安価格! このありえない安さを実現できる理由は、肉屋直営だからなのだとか。
焼きたての串焼きをほおばると、口の中にジューシーな肉汁がぶわっと広がり、めちゃくちゃウマい。なぜ、1本ずつしか買わなかったのか……と自分を責めたくなるおいしさだった。
笑いでハッピーを届ける芸人さんのステージ
ステージエリアでは、間寛平さん、グッチ裕三さん、ダンディ坂野さん、薫るパトリシアさんなど、お笑い芸人が続々と登場。テンポよく笑えるネタで会場を盛り上げていた。
さらっと登場し、大爆笑をかっさらったのが、加賀市出身のダンディ坂野さん。おなじみの「ゲッツ!」は生で見ると、キレが全然違う。内容も濃くて、ゲッツあり、歌あり、ダンスありの大サービス。57歳を迎えてもがんばるダンディさんの姿に元気をもらい、ちょっぴり前向きになれた気がした。
ステージを別の角度から盛り上げたのは、北陸新幹線開業を祝うブルーインパルス。青空のキャンパスに白いスモークが描かれると、歓声と拍手が湧き起こった。それはまるで、明るい未来を表しているようにも感じられた。
最後に関係者に話を聞いてみると……
「東京と加賀温泉を直通で結ぶ最速の「かがやき」は、ちょうど宿のチェックイン・チェックアウトの時間に合わせて停車します。アクセスがよく、便利になった加賀温泉に足を運んでもらえたらうれしいです。また今年の11月頃には、駅の高架下に観光案内所やコンビニエンスストアなどが入り、さらに便利になりますよ」とのこと。
加賀温泉駅へは、東京から最短で2時間43分。今までよりぐーんと行きやすくなった話題の温泉地でぜひリフレッシュしてみては。