紀尾井町戦略研究所は、「賃上げと収入に関する意識調査」結果を3月14日に発表した。同調査は、2024年3月6日、2024年3月6日1,000人を対象に、インターネットを用いて行われた。
2023年の世帯年収(1人暮らしの人は個人年収)は、22年と「変わらない/減った」人が66.8%に上った。会社の規模別では、全体的に従業員数が多いほど年収が増える傾向があったのに対し、「変わらない/減った」人は従業員が300人未満の各層で相対的に多い形となった。年収別では、全体的に年収が上がるにつれ増える傾向があり、年収1,000万円以上の各層では4割台となった。「変わらない/減った」人は年収500万円未満の各層で7割を超し、相対的に割合が高かった。
23年に月給などの給与に「賃上げがあった」人は31.9%だったのに対し、「賃上げがなかった/賃金が減った」人は38.2%だった。業種別で見ると、「賃上げがあった」人は金融・保険業で5割を超えてトップ、全体的に会社の規模が大きくなるほど賃上げがあった人は増える傾向があり、従業員1,000人以上では5割台半ばに達した。23年の賞与や手当など給与以外の収入が「変わらない/減った」人は46.7%を占め、増えた人は14.9%にとどまった。
24年に月給などの給与に「賃上げがあった/今後ある予定」の人は18.5%だったのに対し、「あるかどうかわからない」人が30.0%、「賃上げはなかったし今後もない/賃金が減ったか減る予定」の人は29.1%となった。
23年に賃上げや収入増があった人について具体的な影響を複数回答で聞くと、「特に影響はなかった」(19.3%)がトップとなり「賃上げや収入増はあったが家計は引き続き苦しい」(13.2%)が続いた。現在の収入への不満を聞くと「インフレや物価上昇に対応できない」(39.9%)が最多となり、「生活や家族を養うには足りない」(26.3%)が続いた。
5年後の収入が現在と「変わらないと思う」人は32.4%、「減るかなくなると思う」人は32.5%だったのに対し、「増えると思う」人は15.1%にとどまった。
24年から新NISAは始まったが、金融資産に現在投資していない人は54.8%を占めた。日本の23年国内総生産(GDP)がドイツに抜かれて世界3位から4位になったことについて「十分に経済成長できなかったから当然だ」(31.1%)、「非常に残念だ」(23.9%)、「やむを得ない」(22.6%)と評価は分かれた。
岸田内閣については、「支持する」(10.6%)、「支持しない」(73.2%)という結果に。内閣支持率は調査開始以来、昨年12月13日と並んで同率で最低となった。