JR西日本は15日深夜、福井駅にて北陸本線最終列車の到着に合わせ、「北陸本線 ありがとうセレモニー」を開催した。これに先立ち、北陸本線敦賀~金沢間のラストランとなる特急「サンダーバード」「しらさぎ」が福井駅を発車する様子も報道公開された。

  • 特急「サンダーバード」のラストランとなる下り「サンダーバード49号」が福井駅1番のりばに到着

北陸新幹線金沢~敦賀間が開業する3月16日以降、並行在来線の敦賀~大聖寺間はハピラインふくい、大聖寺~金沢間はIRいしかわ鉄道へ経営移管される。これまで大阪~金沢・和倉温泉間で運転された特急「サンダーバード」、名古屋・米原~金沢間で運転された特急「しらさぎ」は運転区間を短縮し、3月16日から敦賀駅までの運転となる。

福井駅では20時以降、特急「サンダーバード」「しらさぎ」の報道公開を実施。ラストランとなる金沢行の下り「サンダーバード49号」(福井駅22時46分着)、下り「しらさぎ65号」(福井駅23時51分着)の到着に合わせ、両列車が停車する1番のりばに「長年のご愛顧 ありがとうございました」と記された横断幕が登場した。「しらさぎ65号」の到着時、「福井駅を出発する最後の特急列車となります。気持ち良くお見送りをお願いいたします」との放送も。「しらさぎ65号」が発車すると、ホームに集まった関係者や鉄道ファンらが手を振り、金沢駅へ向かう列車を見送った。

  • 「サンダーバード49号」「しらさぎ65号」の福井駅到着に合わせて横断幕が登場

  • 5番のりばに到着した特急「おやすみエクスプレス」。特急「ダイナスター」「おはようエクスプレス」とともに3月15日で運行終了

反対側の5番のりばでは、22~23時頃にかけて金沢駅からの特急「ダイナスター」「おやすみエクスプレス」が到着。これらの列車も3月15日をもって運行終了となった。

福井駅に到着した最後の列車は、金沢発福井行の上り普通列車(福井駅0時3分着)。到着に合わせて「北陸本線 ありがとうセレモニー」が行われ、JR西日本やハピラインふくいなどの関係者が出席した。JR西日本金沢支社副支社長の岡久資氏は、挨拶の中で、「北陸本線は1896年に敦賀~福井間が開業しており、128年にわたってさまざまな列車がここを通りました。地域の皆様にもご愛顧いただきました。明日、いよいよ福井の地にも新幹線がやって来ます。在来線は皆様の日常の大事な交通手段であるとともに、今後は新幹線の二次交通としての役割も加わります。列車の運行を引き継ぐハピラインふくいと連携し、福井の交通ネットワーク発展に貢献していきたい」と述べた。

  • 「北陸本線 ありがとうセレモニー」では、最終列車を担当した乗務員への花束贈呈、JR西日本からハピラインふくいへの記念きっぷ贈呈などが行われた

  • 「北陸本線 ありがとうセレモニー」の終了後、地図式運賃表などを新しいものに切り替える作業が始まった。3月16日以降、敦賀~大聖寺間はハピラインふくいの路線となる

最終列車を担当した乗務員への花束贈呈、JR西日本からハピラインふくいへの記念きっぷ贈呈に続き、ハピラインふくい代表取締役社長の小川俊昭氏も挨拶。「128年の長い歴史を持つ北陸本線を運営するという大きな使命感、歴史的な瞬間に立ち会えるという喜びが混ざり合い、非常に身の引き締まる思いです。安全で安心な輸送を最大の優先事項とし、利便性向上も図りつつ、経営の安定も加えた“三兎”を追いかけ、地域に根ざした明るい鉄道会社をめざしたい」と語った。