モリサワは3月13日、阪神甲子園球場との共同プロジェクトとして、同球場のスコアボードで使用してきた「甲子園文字」を受け継ぐ「甲子園フォント」を制作し、デジタルフォント化することを発表した。
モリサワは7月24日に創業者森澤信夫による「邦文写真植字機」の発明から100周年を迎えるが、阪神甲子園球場も8月1日に開場100周年を迎える。「甲子園フォント」の制作は、阪神甲子園球場を所有する阪神電気鉄道株式会社とモリサワが、100周年を記念する共同プロジェクトとして実施するもの。
阪神甲子園球場のスコアボードでは、1983年まで職人が毛筆で手書きした文字を使用しており、その独特な字形は「甲子園文字」として親しまれてきた。1984年以降はスコアボードが電光掲示板に改修されたが、伝統を受け継ぐべく、球場職員がオリジナルの文字データを制作して表示しているという。
本プロジェクトでは、受け継がれた「甲子園文字」を、モリサワが現代の実用に即したフォントとして多くの人の読みやすさに配慮したUDフォントをベースに制作する。完成は2024年12月ごろを予定しており、2025年シーズンから阪神甲子園球場のスコアボードで使用される予定。