NTTドコモ モバイル社会研究所は3月11日、小中学生にスマホ・キッズケータイを持たせる理由を調査した結果を公表した。
今回公表されたのは、2023年11月に実施した「2023年親と子の調査」から、小中学生のスマホ・キッズケータイ所有理由についての設問の結果をまとめたもの。
同研究所は1月29日に小学生低学年で18%、高学年になると42%、中学生では79%が自分専用のスマホを持っているという調査結果を発表しているが、その理由をまとめたのが次のグラフだ。
もっとも多かった回答は「緊急時の連絡」で、回答者の50%がこれを理由として挙げていた。「子がいる場所の把握」31%も同様の趣旨の回答と考えてよいだろう。また、「子供から欲しいと言われた」は35%で、子供からの要望を理由として挙げる保護者も少なくないようだ。
もちろんスマホを持たせる理由はひとつではないはずで、上記のような理由に加え、「進学または進級」などの生活環境の変化もきっかけになっているだろう。
次のグラフは、小学生からスマホを持たせている家庭での、スマホを持たせた理由だ。
男女の差をみると、女子では「子供に欲しいと言われたから」「友だちが持ち始めた」という理由を挙げる家庭が男子よりも目立って多く、男子よりも友達同士のコミュニケーションのためにスマホを持たせるケースが見られるようだ。「緊急時の連絡」「子がいる場所の把握」の保安の観点は男女差がそれほど大きくない。
中学生からスマホを持たせるようになった家庭でも傾向は似たようなもの。「子供に欲しいと言われたから」「友だちが持ち始めた」の男女差が大きく、女子のほうが多い。逆に「進学または進級」を挙げるのは男子のほうが多いという結果だ。
ここまでは小中学生にスマホを持たせた理由だったが、次のグラフはキッズケータイを持たせた理由をまとめたもの。
当然といえば当然だが、「緊急時の連絡」が圧倒的多数で、それに「子がいる場所の把握」が続く。「塾や習い事に通い始めた」「進学または進級」「親の働き方が変わったから」などの回答も、そういった生活環境の変化をきっかけとして連絡手段の確保が必要になったというケースが多いだろう。
調査概要
- 調査名:2023年親と子の調査
- 調査方法:訪問留置調査
- 調査対象:関東1都6県・小学生及び中学生とその親
- 回答数:600件
- サンプリング:QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県の人口分布に比例して割付
- 調査時期:2023年11月