初めての一人暮らしをスタートしたり、仕事の都合で引っ越したりと環境が変わる方も多い新生活のシーズン。新生活はワクワクしますが、その一方で生活を整えるために家電製品を揃える必要もあります。

とはいえ出費が多いこの時期、安くはない家電の買い物では失敗したくないもの。今回、悩める方に向けて、家電アドバイザーであり、家電のサブスク・レンタルサービス「レンティオ」が運営するメディア「Rentio PRESS(レンティオプレス)」の編集長である市川豪希さんに、「買って失敗しがちな家電&迷わず買いたい家電」を聞きました。

お話を聞いた方

  • レンティオ コンテンツ部 部長/Rentio PRESS編集長(責任者) 市川豪希さん

レンティオ コンテンツ部 部長/Rentio PRESS編集長(責任者) 市川豪希さん

青森県青森市生まれ 現在 36歳。1児の父。趣味:カメラ・読書。
2010年に楽天株式会社へ入社。キッチン日用品雑貨ジャンルグループにてECコンサルタント業務に2年携わった後、ネット広告代理店のコンサルタント、ベンチャー創業メンバーとして参画・事業責任者を経て、2020年にレンティオ株式会社へ入社。 「RentioPRESS」の責任者であり、家電製品総合アドバイザー(2022年取得)として、自身も同媒体で執筆活動を行う。

「RentioPRESS(レンティオプレス)」とは?

  • 「RentioPRESS」

家電のサブスク・レンタルサービスを提供する「レンティオ」が運営する、月間約400万PVのカメラ・家電の最新情報を発信するWEBメディア。「ユーザ目線でのレビューを届けること」をコンセプトに、編集部が実際に製品を使ってメリットもデメリットも忖度なく伝えている。

買う前に待って!「失敗しがちな家電」3つ

――市川さん、今日はよろしくお願いします! まずは「家電を買う時に考えたいポイント」を教えていただけますか?

市川さん:「家電を買い揃えないといけない」という固定概念を捨てることですね。部屋の広さやライフスタイルは人によって異なります。部屋のスペースを埋めてまで必要な家電なのか、冷静に考えることが重要です。

――新生活を頑張るぞ! という気持ちで買い揃えたくなりますが、後々邪魔になったり不要になるものもありますね……。そんな「買って失敗しがちな家電」を教えてください。

失敗しがち家電1:コーヒーメーカー

市川さん:まずは「コーヒーメーカー」です。

おいしいコーヒーを飲みたい! とコーヒーメーカーを購入しても、場所を取ったり手入れが面倒だったりといった理由で後々使わなくなることも。私もコーヒーが好きなのですが、コーヒーの淹れ方がわかってくると「ハンドドリップで淹れたい」「豆を挽きたい」とこだわりたいポイントが見えてくるんです。

なので、コーヒーメーカーを買う前に「温度機能付きケトル」とドリップバッグから始めてみてください。お湯の温度にこだわるだけでも飲み方のバリエーションは広がりますし、コーヒーに限らずお湯を沸かしてラーメンを作ったりと使い勝手の幅が広い家電です。

失敗しがち家電2:加湿機能付き空気清浄機

市川さん:「加湿機能付き空気清浄機」も失敗しがちな家電です。一台二役の家電は省スペースにもなるし一見良さそうですが、複数機能を搭載するとつくりが複雑になるので手入れが面倒になりがち。加湿機能の水タンク部は水垢やカビが溜まりやすくなります。

複数の機能は魅力的ですが、シンプルで機能性が高い単機能の商品もあります。その家電が得意なことを突き詰めた商品の方が信頼感や満足度は高いと思いますね。もちろん2つ揃えるとスペースやコストが高くなるので、花粉や暖房といった使う季節が限られる家電はレンタルという手も活用してみてください。

失敗しがち家電3:カメラ

市川さん:失敗しがちな家電、最後は「カメラ」です。

就職して自由なお金が手に入ると、嗜好品を購入したいと考える方も多いでしょう。その時に欲しくなるアイテムのひとつが「カメラ」。旅行に行くから、SNSを活用したいからなど、きれいな写真を撮りたくてカメラを購入しても、強い目的がないと継続することは難しいものです。

私自身、就職祝いでカメラをもらったのですが、子どもが生まれて写真を撮る目的ができるまで10年近く置物になっていました。強い目的がないうちはレンタルで試して、趣味にできるか・継続して使えるかを判断してから投資することをオススメします。

新生活が快適に!「迷わず買いたい」家電4つ

――「コーヒーメーカー」「加湿機能付き空気清浄機」「カメラ」と、どれもあったら生活が良くなりそうなアイテムですが、失敗しがちなのですね。続いて「迷わず買いたい家電」を教えてもらえますか?

迷わず買いたい家電1:ドラム式洗濯機

  • 「SHARP【左開き】洗濯7kg/乾燥3.5kg ドラム式洗濯乾燥機ES-S7H-WL ホワイト」(レンティオ公式サイトより引用)

市川さん:迷わず買うことをオススメする家電、まずは「ドラム式洗濯機」です。洗濯物を洗濯機に入れる・出す・干す・取り込むの手間を減らして大幅な時短が叶う、生活を変えてくれるアイテムですね。縦型洗濯機と比較すると価格は高いですが、長期で使うと思えば高すぎる買い物ではありません。一人暮らしの方に向けたコンパクトなドラム式洗濯機もありますし、夜にポイと入れて朝乾いた服を着て出社する生活サイクルはとにかくラクチンですよ。そして今の時期だと花粉を避けて服を乾かせるのもうれしいポイントですね。

なお購入時は設置するスペースと洗濯機のサイズをしっかり確認しましょう。また予算やサイズにもよりますが、乾燥効率が良い「ヒートポンプ式」をオススメします。

迷わず買いたい家電2:自動調理鍋

市川さん:「ホットクック」をはじめとした「自動調理鍋」も便利ですね。私も自宅で活用しています。

  • 「シャープ ヘルシオ ホットクック KN-HW10G 1〜2人用 1.0L容量」(レンティオ公式サイトより引用)

購入する際は、容量と設置場所、搭載されている機能を確認して、自分のニーズに合ったモデルを選びましょう。設置する場所はスペースのサイズだけでなく、コンセントの配置や動線も考慮したいもの。特に台所のコンセントは数に限りがあるので、毎日使うものを優先して設置しましょう。

迷わず買いたい家電3&4:電子レンジ&冷凍冷蔵庫

市川さん:新生活をスタートするけど、自炊はそこまでしないかも……という方でも「電子レンジ」「冷凍冷蔵庫」はぜひ揃えてほしいですね。最近の冷凍食品は質も高く美味しいので、冷凍庫の容量が大きい冷凍冷蔵庫と電子レンジがあると便利です。

  • 「パナソニック 単機能電子レンジ NE-FL1A 22L ホワイト」(レンティオ公式サイトより引用)

電子レンジも様々なタイプがありますが、まずは安くて単機能の製品でOK。自炊したくなって課題感が見えてきたときに、オーブンレンジなど高機能の製品に買い替えましょう。

  • 「ツインバード 2ドア冷凍冷蔵庫 121L HR-GJ12B ブラック」(レンティオ公式サイトより引用)

冷凍冷蔵庫で重視したいのは、冷凍庫の容量です。冷凍庫が大きめの冷凍冷蔵庫も販売されていますし、もっと冷凍スペースを増やしたいなら「セカンド冷蔵庫」と呼ばれる小型の冷凍庫もあります。また霜がついて冷凍庫の容量が減らないよう、ファン式や自動霜取り機能が付いている機種がオススメですね。

――ドラム式洗濯機、自動調理鍋、そして電子レンジと冷凍冷蔵庫と、どれも生活の時短ができそうな家電ですね。

新生活、新しいチャレンジもしてみよう!

――「失敗しがち家電」でレンタルすることもひとつの手だと話されていました。レンティオでは様々な家電をレンタルしてお試することができますが、引っ越しにまつわる「ユニークな使い方」はありますか?

市川さん:引っ越し後の気になることに対して、応急処置のように家電レンタルを活用するユーザーさんもいらっしゃいますね。例えば新居の部屋のニオイが気になって、ニオイが消えるまで空気清浄機をレンタルする方や、新しいエリアの水質と自身の髪質が合わないことに悩んでマイクロナノバブル付きシャワーヘッドを試される方もいます。

それから猫と暮らすユーザーさんのエピソードなのですが、引っ越しがひと段落するまで猫と一緒に旧居で過ごすため、一時的にヒーターをレンタルした、というほっこりする使い方もありました。

――アイデア次第で様々な使い方ができそうですね。最後に、これから引っ越しをする方に向けてメッセージをお願いします。

引っ越しは心機一転の機会です。人間は適応力が高いので、多少不便だったり無駄な手順があっても、惰性で使ってしまうもの。そんな家電がないか、引っ越しのタイミングで見直しましょう。不要なものを捨てて新しいものを取り入れる意識で家電を選ぶと、家の空間づくりや家電の配置など楽しみが広がります。今あるものを見直しながら家電選びを楽しんでほしいですね。

また、新生活のスタートに合わせて、副業や手に職を付けるため新しいことにチャレンジする方もいるでしょう。そのなかで、例えばイラストを描くならペンタブレットとパソコン、刺繍や手芸ならミシンなどの家電が必要になる場合もあります。そういった際にもレンタルの活用をオススメします。

  • 「Wacom ワコム 液晶ペンタブレット Cintiq 16」(レンティオ公式サイトより引用)

レンタルなら手頃な価格で機材を揃えられるので、資金がなくて諦めたり費用を捻出するためにショッピングローンを組む必要もなく、経済的な条件のハードルがぐっと下がります。レンタル費用が月額数千円ほどであれば、副業で稼ぐ金額の目標になりそうですよね。引っ越しや新生活、そして新しいことをチャレンジする際、"レンタル"という選択肢もうまく使いながらライフスタイルやキャリアプランを築いていってください。

――市川さん、ありがとうございました!


取材を終えて

家電の話を聞くはずが、最初に「『家電を買い揃えないといけない』という固定概念は捨ててください」と言われて驚いた今回のインタビュー。自分自身が一人暮らしを始めた時も、買ったは良いけれど使いこなせなかった家電があったなあと我が身を振り返りたくなりました。

引っ越しや新生活シーズンは、慣れない環境で慌ただしいものです。今回「迷わず買いたい家電」として紹介してもらった家電は、生活をラクにしてくれるアイテムばかり。これらの家電を活用して生活サイクルを整え、自由な時間を作ったら、趣味や副業など新しいことにチャレンジする余裕も生まれそうです。