ハーレーダビッドソン ジャパンが2024年に発売するニューモデルの第1弾を初公開した。新型「ロードグライド」と新型「ストリートグライド」の2台だ。米国では「グランドアメリカンツーリング」セグメントで半分以上のシェアを獲得することもある人気バイクはどう進化した? 確認してきた。

  • ハーレーダビッドソンの新型バイク

    ハーレーが過去最大の投資とエネルギーを注ぎ込んだという新型「ロードグライド」と新型「ストリートグライド」。いったい、どんなバイク?

ハーレーの新時代を切り拓くニューモデル?

ブランド生誕120周年にあたる2023年を絶好調で駆け抜けたハーレーダビッドソン。「日本バイクオブザイヤー」では「ブレイクアウト」で外国車部門の最優秀金賞を獲得、中型普通自動二輪免許で乗れる初のハーレーとなった「X350」は大きな話題を呼んだ。

この勢いは今年も続くのだろうか。2024年のニューモデル第1弾となる2台のバイクを見ていこう。

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    新型「ロードグライド」のボディサイズは全長2,410mm、ホイールベース1,625mm、シート高(無負荷時)720mm、車両重量は380kg

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    新型「ストリートグライド」のボディサイズは全長2,410mm、ホイールベース1,625mm、シート高(無負荷時)715mm、車両重量は368kg

ロードグライドとストリートグライドといえば、米国のグランドアメリカンツーリングセグメントで販売比率の半分以上を占める年もあるハーレーダビッドソンの主要モデルだ。新型の開発にあたっては「過去最大の投資とエネルギーを注ぎ込んだ」という。ハーレーダビッドソン ジャパン社長の野田一夫さんは、「新型ロードグライドと新型ストリートグライドはハーレーダビッドソンの新時代を切り拓いていく位置付けのモデル」と紹介する。

ハーレーの人気モデルは何が変わった?

新型モデルはさまざまな面で進化を遂げている。

デザイン面ではフロント、タンク、リアのボディラインがより綺麗につながり、停車時でも走行しているかのように感じられるダイナミックなデザインとなった。

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    新型「ストリートグライド」のサイドビュー

フロントセクションにはそれぞれの特徴が出ている。新型ロードグライドはヘッドライトを丸型2灯から水平基調のLED1灯に変更。新型ストリートグライドではヘッドライトから伸びるLEDライトを追加し、ハーレーダビッドソンのシンボルでもある鷹が羽を広げているような力強いデザインに変更した。

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  • 新型「ロードグライド」(左)と新型「ストリートグライド」(右)のフロントマスク

1,923ccの「Milwaukee-Eight 117Vツインエンジン」にも改良を加えた。排気量は変わっていないものの、2023年モデルに比べて馬力は3%、トルクは4%の増加。よりパワフルなエンジンへと進化している。

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    最大トルク175Nm/3,500rpm、最高出力80kW(107HP)/5,020rpmを発揮する最新型の「Milwaukee-Eight 117Vツインエンジン」

エンジン関係の解説でハーレーが強調したのが「冷却系」の進化だ。新型モデルではファン付きのラジエーターをフロントの低い位置に搭載。夏場の暑い時期でも走行風が直接ライダーに当たらないように配慮した。快適性の向上にも努めたという。

インフォテインメント面では12.3インチのTFTスクリーンに最新OSを組み合わせた。例えば自動車のように、全てのメーターを画面に表示させることが可能だ。

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    前モデル比で4倍の面積となる大型スクリーンを採用。表示面積が増えたことでより多彩な情報をライダーに伝達できるようになった

スクリーンはタッチ操作も可能。グローブをはめたままでも反応するという。画面には指紋が付かないようにしたり、ギラつきを防止する表面コートを施したりなど、オートバイに搭載する上で必要な配慮にも抜かりがない。

ハーレーが力を入れているというオーディオは、アンプ出力を4チャンネル200Wに増やして性能を向上させた。走行中であっても、よりクリアな音源を楽しむことができるそうだ。

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    発表会には魔娑斗さん夫妻が登場。「ストリートグライド」に跨りオーディオ性能を体験した

2024年のハーレーはどうなる?野田社長に聞く!

人気バイクのモデルチェンジで幕を開けたハーレーダビッドソン ジャパンの2024年。「東京モーターサイクルショー」や横浜開催が発表された「ブルースカイヘブン」など、今後もイベントは目白押しだ。野田社長に話を聞いた。

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    新型「ロードグライド」と新型「ストリートグライド」の導入が「新時代の夜明け」になると語った野田さん。その意味するところは?

――新型ロードグライドと新型ストリートグライドが2024年1発目のニューモデル発表となりました。どんな意味がありますか?

野田さん:ものすごく大きな意味があります。日本におけるグランドアメリカンツーリングセグメントでロードグライドとストリートグライドのシェアは全体の約15%ですが、私たちはもっと強化したいと思っています。そこに新型車を投入できることが、まずは大きいです。できればオーナー数を倍増したいという思いから、バイクのバリューは上がりましたが価格は据え置きの369.38万円からの設定にしています。

昨年は「ブレイクアウト」や「CVO」を発売しましたが、今回の2台を追加することで通常ラインアップが一通り完成しました。通常ラインアップが出そろったここからが本当のフルパワーという感じです。そういう意味で、東京モーターサイクルショーでの日本初公開を控える「ハイドラグライド リバイバル」のような限定車はありますが、この2台は今年の大きな目玉となるモデルだと思います。

――東京モーターサイクルショーのお話が出ましたが、今年のハーレーブースはどんな感じになるでしょうか?

野田さん:CVOという私たちにとって非常に重要なモデルがありますが、これまでの東京モーターサイクルショーでは他のモデルと同列に扱っていたといいますか、しっかりと区別をしていませんでした。なので、今年はもう少しCVOに特化したようなブースにしたいと考えています。

ただ、ハーレーにはさまざまなセグメントのバイクがあって、例えば2023年に発表したX350も、まだ実際に現車を見たことがない方がいると思います。そういう方にも実際にバイクを見てもらって、新時代のハーレーを感じてもらうとともに、あらためてハーレーを知ってもらう場にしていきたいですね。

――これまでは富士スピードウェイで開催していた「ブルースカイヘブン」の開催地を今年は横浜に変更するそうですね。理由は?

野田さん:富士スピードウェイはある意味で我々のホームグラウンドであり、ブルースカイヘブンで毎年訪れるのを楽しみにされている方はいらっしゃると思います。ただ一方で、ずっと同じ場所で開催しているので、違う場所でもやってほしいという声もありました。

それから、我々のブランドをもっといろんな方に知っていただきたいと考えた時に、ハーレーの世界観を味わうために富士スピードウェイまで来ませんかとなると、首都圏の方には、ちょっとハードルが高いと思われてしまうこともあるんですね。

例えばアメリカ本社のあるミルウォーキーで周年記念イベントを開催するとなると、まるで街全体を貸しきったかのような感じでハーレーのオーナーが集まります。ああいうことを日本でやってみてもいいんじゃないかというのもあり、今年については横浜開催の都市型イベントということに決めました。

――ブルースカイヘブンというと、オーナーズパレードであったり、サーキット内でのキャンプを楽しみにされている方もいると思います。これらは横浜開催でどうなりますか?

野田さん:オーナーズパレードについては、やはり仲間と一緒に走るということに魅力を感じる方は多いです。ミルウォーキーでもパレードはメインプログラムになっています。都市開催となる今年も、パレード実現に向けて調整をしているところです。キャンプについても楽しみにされている方はいると思いますので、何かできることはないか検討しています。ご期待くださいという感じですね。