毎日新聞社はこのほど、同社が所有する築26年の新聞販売店が、三井不動産が提供するリファイニング建築を用いた「老朽化不動産再生コンサルティングサービス」を活用し、賃貸住宅へと生まれ変わったことを発表した。
同物件は毎日新聞社が東京都板橋区に所有する新聞販売店だったが、建物の老朽化が進むとともに、メディア媒体を取り巻く環境が急激に変化する中で従来の用途での利用が終了し、収益を生まない状態となっていた。一般的には建替えによる新たな活用を検討することが多いが、昨今の建築費の高騰による事業性能の低下や、その過程で多くのCO2を排出することが課題だった。
そこで、三井不動産が提供するリファイニング建築を用いた「老朽化不動産再生コンサルティングサービス」を活用。リファイニング建築とは、青木茂建築工房独自の建物再生手法のこと。既存躯体以外はすべて解体し、躯体補修・耐震補強により現行法規のレベルまで耐震性能を向上させるとともに、デザインの転換や設備の刷新を行い、新築同等に再生する。
同サービスを利用することで、既存躯体の補修および補強を施し既存建物の80%以上を再利用でき、建替えと比較して工事費を低減することが可能になる。また、事業性能の向上を図るとともに、建替えと比較してCO2を70%以上削減できる。
従来1階は事務所・作業室、2階は管理人住居、3階と4階は配達員寮室として利用されていたものを、総住戸数14戸の賃貸住宅へ建物一棟をコンバージョンさせた。現代の賃貸マーケットニーズに合わせた仕様設備・間取り構成を計画。エレベーター、オートロック、宅配ボックスを新設するなど新築同等に機能を向上させている。耐震補強計画の信頼性の向上のため、第三者機関から耐震判定書を取得した。