コナミデジタルエンタテインメント(KONAMI)は、「魂斗羅」シリーズ最新作『魂斗羅 オペレーション ガルガ』を2024年3月12日に発売した。プラットフォームはNintendo Switch、PlayStation 5(PS5)、PlayStation 4(PS4)、Xbox Series X|S、Xbox One、Steam、価格は3,850円。最大4人の協力マルチプレイに対応する。
「魂斗羅」シリーズは、1987年にアーケードゲームとして第1作目が誕生したアクションシューティングゲーム。『魂斗羅 オペレーション ガルガ』は、2Dステージでド派手に暴れる“ラン&ガン”と呼ばれるスタイルが特徴の初代『魂斗羅』完全リメイクタイトルだ。今回、KONAMIから同作のレビューコードをいただいたので、早速PS5版をプレイしてみた。
タイトル画面に表示されるのは、「ストーリーモード」「アーケードモード」「チャレンジモード」「ボーナスショップ」「設定」の項目。そのなかから、まずは「ストーリーモード」から遊んでみようと思う。ちなみに、「アーケードモード」で遊べるのも基本的に「ストーリーモード」と同じステージだが、会話の演出などストーリーの部分が省略されているほか、複数のセーブデータは作れないようになっている。
「ストーリーモード」「アーケードモード」の難易度はイージー、ノーマル、ハードの3つ。また、デンジャーレベルとして、HPがゼロになるとプレイヤーストックが減る「HPゲージ」と、ダメージを受けただけでプレイヤーストックが減る「1ヒットキル」を用意する。
筆者は、シリーズ未プレイの初心者だが、「過去シリーズを遊んだことがあるプレイヤー向け」と書かれた難易度のノーマルで挑戦。ただ、さすがにノーダメージで進む自信はなかったので、デンジャーレベルは「HPゲージ」を選択してストーリーモードを開始してみた。
とにかく走る! 撃つ! 多彩な銃火器による“ラン&ガン”
ゲームの舞台は「ガルガ諸島」と呼ばれる場所。テロ組織「レッドファルコン」が要塞化しているとの情報から、魂斗羅部隊に出動要請がかかる。ビルとランスはレッドファルコン部隊の武装解除をすべく、島に降り立った。
ゲームを始めたら、初心者でもすぐに“ラン&ガン”と呼ばれる所以を体感できた。基本は、手にした銃火器で次々と襲いくる敵を倒しながらステージを進んでいくのだが、「立ち止まって、見えている敵を丁寧にクリアリングしてから進もう」が通用しない。敵が無限に湧いてくるのだ。
だから、とにかく走る。ビルとランスは2段ジャンプや空中ダッシュができるなど、常人離れした身体能力の持ち主。鍛え抜かれた筋肉からは想像できないほど軽やかに動き、ステージを進んでいく。
武器は360度好きな方向に発射可能(設定で8方向に変更することもできる)。射撃の方向決定は左スティックだ。移動と同時に行うので、基本的に進行方向にしか攻撃できないが、「R2」を押しながら撃つと、移動せずその場で正確な射撃を行えるようになる。また、武器の弾数は無限なので、基本的に常に弾を撃ち続けるのがいいだろう。
特徴的なのは、扱える武器が多彩なこと。飛んでいる「武器ポッド」などを撃つと、「M」や「S」と書かれたアイテムが落ちてくるので、これを手に入れてキャラクターの武器を連射力の高い「マシンガン」や、多方向に弾が発射される「スプレッドガン」に切り替える。
同じ武器を2つゲットすると効果がレベルアップ。たとえば「スプレッドガン」であれば、3方向から5方向に弾丸が増加するので、撃ち続けるだけで前からくる敵をほぼ全員倒せるようになる。
なかでも、個人的にかなりお世話になったのが「ホーミングミサイル」だ。ビルとランスの初期「HPゲージ」は3目盛りしかなく、攻撃に3回当たるだけでプレイヤーストックが1つ減ってしまう。そのため、回避にはかなり気を遣わなければならない。
だが、先述した通り、移動とエイム操作を左スティックで行うため、たとえば、後退しながら前方向に攻撃したり、回避しながら敵に照準を合わせたりするのが難しい。そこで「ホーミングミサイル」の出番。発射した小型ミサイルが敵を自動で追尾してくれるで、回避に意識を集中させられるのだ。
しかし、一度手にした武器をずっと使えるかというと、そうではない。保有できる武器は最大2つ。3つ目の武器を手にすると自動的に装備している武器がドロップし、新規で入手した武器と交換される。
交換された武器は「武器ポッド」から出てくるときと同様の形で、キャラクターがポロリと落とすため、すぐに拾い直せば元の武器に戻すことが可能。だが、自分で移動をコントロールできるステージならまだしも、バイクに乗りながら自動で進んでいくステージで、うっかり3つ目を取ってしまい、意図せず武器が交換されることが何度もあった。
また、「HPゲージ」がゼロになり、プレイヤーストックを消費すると、そのときに使っていた武器もロスト。筆者は「ホーミングミサイル」に頼りすぎていたため、武器をなくしてしまうと、途端に難易度が上がったようにすら感じた。そのため、瀕死の状態になったら残したい武器を使わないのも1つの手だろう。
そんな思い通りにいかない武器編成システムが、うっとうしくもあり、おもしろくもある。もちろん、「ホーミングミサイル」以外の武器を使ってみると「案外強い」と感じたり、ステージボスと相性がよかったりすることもあって、お気に入りの武器をみつけるだけでなく、新しい武器の魅力を発見するのも楽しかった。
もう1つ、武器には「オーバーロード」と呼ばれる機能が搭載されている。「L2」を長押ししてオーバーロードすると、武器のストックを消費して、「マシンガン」ならダメージから身を守る「バリア」を作り、「ホーミングミサイル」ならプロトタイプドローンによる援護射撃を受けられるようになるなど、それぞれ固有の効果を一定時間発動する。
武器は2つまでしか保有できないので、3つ目の武器を手にしたタイミングで1つを消費して使っておくなど、臨機応変な使い方ができればステージ攻略の役に立つだろう。戦術の幅も広がりそうだ。
だが、正直、筆者にそんな余裕はなく、敵の攻撃の回避でいっぱいいっぱい。本当に「もうダメだ! 死ぬ!」と思ったタイミングで発動させるのが関の山だった。
いつからボス直前からやり直せると錯覚していた?
さて、難易度ノーマルで「ストーリーモード」をプレイし始めた筆者はというと、案の定、苦戦しながらも、なんとか着実に物語を進めていた。が、ついにどうしてもクリアできない壁にぶち当たる。「STAGE6」の中ボスがどうしても倒せないのだ。
ボス自体が強いわけではない。ボス戦で負けたときにリトライできるチェックポイントがけっこう前に設定されているため、道中のギミックや敵の攻撃を避けきれず、満身創痍で中ボスに挑むことになる。結果、満足に戦えず、あえなくデス。これまでもボス自体に手強さを感じるわけではないものの、ステージ攻略中に瀕死の状態になった状態でボスに挑み、なかなかクリアできないことがあった。
一定の数の敵を倒すと残機が増える仕様はあるものの、HP回復なんて生ぬるい手段はない。そのため、ボス戦の立ち回り以上に、いかにして途中の被ダメージを少なく抑えるかが大事だろう。ステージの攻略とボスの攻略は表裏一体。ボスはボス単体として存在するのではない。ひとつながりの流れとして、デザインされているのである。
元々、そんなにゲームがうまいわけでない。だから、ボスに負けたら直前からまたすぐに挑戦できる、そんな最近のゲームの優しさに甘えていた。そうだ。やっぱり、簡単にクリアできるゲームなんておもしろくない。難しいからこそやりがいがあるんだ。リトライできるだけでもありがたい。さあ、もう一度チェックポイントからやり直そう。
今一度、コントローラーを握りしめる筆者。気分転換にキャラクターをビルからランスに変えて再チャレンジしようと、ゲームのタイトル画面に戻ったところで、「ボーナスショップ」の文字が目に映る。そういえば、まだここを確認していなかった。
キャラクターのスキンなどが買えるのかなと、軽い気持ちで覗いたら、あらびっくり。キャラクターの強化ができるではないか。しかも、リスポーン後の無敵時間が長くなる「バリア」、プレイヤーのストックが増加する「ストックEX」、「HPゲージ」が増加する「HPブースト」など、喉から手が出るアイテムばかりだ。
……やっぱり、プレイヤーのレベルに合わせた楽しみ方ができるからゲームはおもしろいんだと思う。難しさを求めるならハードモードの「1ヒットキル」でプレイすればいい。初心者には、初心者なりのプレイスタイルがある。「ストックEX」と「HPブースト」と「HPブースト+」と……、よし、手持ちの「魂斗羅コイン」で買えるだけ買っておこう。
ショップでいくつかボーナスを購入した筆者は、「全部のボーナスをつければ最強の魂斗羅が誕生するぜ」と鼻息を荒くしてストーリーモードに戻ってきた。だが、キャラクター選択時に、装備できるボーナスが2つまでであること、「HPブースト」と「HPブースト+」は重ねてつけられないことに気がつく。そう、やっぱり、強くなりすぎるのもよくない。そこそこ達成感を味わえる、ほどよい強化がいいだろう。
実際、プレイヤーストックの増加と「HPゲージ」の増加が、プレイをかなり安定させてくれた。あれほど苦労していた「STAGE6」をサクッとクリアすると、あれよあれよと物語が進んでいく。最後のほうは数える程度のコンテニューしかしなかったように思う。気がついたら最後のボスと対峙していた。
それでも、初心者には手に汗握るバトルの連続。「HPゲージ」が増えたといっても、負けたらチェックポイントからやり直しになるのは変わらない。そのプレッシャーが、いい感じの緊張感をもたらしてくれた。
キャラで味変、チャレンジモードでやりこみも
なお、「ストーリーモード」を進めていくと、プレイアブルキャラクターが増える。「HPゲージ」量やアクションが異なるほか、キャラクターによって性能が変わる武器もあった。
ガルガ島に住む女性「アリアナ」の場合、クラッシュボムが弧を描いて飛ぶグレネードタイプの「クラッシュグレネード」に変化。ダッシュの代わりに、攻撃判定のある「スライディング」を使えて楽しい。ただし、初期「HPゲージ」が2と少なく、被ダメージ多めの筆者には向いていないように感じた。
魂斗羅のサポートを担っていた「ルシア」は、2段ジャンプが使えない代わりに、ワイヤーを天井に放って移動する技を使えるほか、ダッシュも使えるバランスタイプ。スプレッドガンがチャージタイプの「チャージスプレッド」になるのも新鮮だった。
そして、初期「HPゲージ」が4つのスタンリー・アイアンサイドは、レーザービームが輪っか状に広がる「リングレーザー」に変化。ルシア同様2段ジャンプが使えない代わりに、ワイヤー回避ができるうえ、一定時間ホバリングで空中に浮かぶことができる。
異なるキャラでプレイすることで、同じステージでもまた違った感覚で楽しめた。せっかく新キャラが解放されたのであれば、一度は使ってみたくなるというものだろう。
やり込むなら「チャレンジモード」もオススメだ。内容は「ダメージを受けずに時間内にゴールにたどり着く」「武器を使わずに倒されずにゴールする」などさまざま。「ダメージを受ける」ことが失敗条件になっているミッションが多くて、筆者的にはかなり難しいものばかりに感じたが、何度も繰り返しチャレンジすると、いい練習になっている気がしてくるので、むしろアクションが苦手なプレイヤーほどやったほうがいいのかもしれない。
常に武器をぶっ放しながら、敵の弾幕攻撃を避けつつ進む“ラン&ガン”『魂斗羅 オペレーション ガルガ』。チェックポイントの少なさや回復手段の少なさから難しいと感じた部分もあったが、難易度やデンジャーレベルの調整に加えて、ボーナスショップによるキャラ強化など、幅広い腕前のユーザーでも楽しめる懐の深さを感じた。「ストーリーモード」では最大2人、「アーケードモード」では最大4人までの協力オフラインマルチプレイに対応するので、友達とワイワイ遊ぶのも楽しいだろう。
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