日立グローバルライフソリューションズ(以下、日立)は2022年に「高機能な紙パック式コードレススティッククリーナー」を発売。ブームの先駆けとなりました。そんな日立が東京有楽町の体験型ストア「b8ta Tokyo - Yurakucho」(以下、b8ta)にて、掃除機とスマートフォンを融合させたコンセプト展示「AR おそうじ」をスタート。掃除をゲームのように楽しめるという「AR おそうじ」、その楽しさと実用性を体験してきました。
まずはスマートフォンを掃除機にセット
b8taに入ると、入口側の窓際に2カ所の「AR おそうじ」展示エリアがあります。展示エリアのキャビネットには「AR おそうじ」アプリが入ったスマートフォンと、体験方法を説明したタブレットを配置。棚の横には、体験用の掃除機として日立の「パワーブーストサイクロン PV-BH900SL」がおいてありました。PV-BH900SLは、再生プラスチックを40%以上使用した日立の環境配慮型の掃除機です。
スマートフォンをホルダーにセットして掃除機に取り付けたら、「AR おそうじ」がスタートします。筆者は「スマートフォンを取り付けた掃除機」をはじめて見ましたが、意外と違和感のない見た目です。照準器を装着したライフルみたいでむしろカッコイイ気さえします。「AR おそうじ」はあくまでも実用以前のコンセプト展示なのですが、デザインだけならこのまま製品化してもおかしくない印象でした。
掃除した床面を可視化して「どんぐり」を集めよう!
「AR おそうじ」をスタートしたら、アプリで床にあるQRコードを撮影します。このQRコードによって、アプリが掃除機の現在位置を認識する仕組み。アプリが自分の現在位置を認識したらゲームが始まり。「3、2、1」のカウントダウンとともに画面が切り替わります。
続く画面では、あらかじめ登録してある「掃除エリア」のミニマップを画面右上に表示。掃除機をかけると、ミニマップの掃除したエリアが紫色に塗りつぶされていきます。エリア全体をキレイに塗りつぶせばゲームクリア。掃除をするとポイント(どんぐり)が少しずつ溜まるほか、たまに出てくる「ホコリ」キャラクターを吸い込むことでボーナスポイントを入手できます。ホコリのキャラクターはランダムで登場し、実際の床の汚さと連動したものではありません。
画面右上のミニマップだけではなく、スマートフォンのカメラで撮影した実際の床映像も、掃除済みエリアが紫色に変わります。ここが「AR」である点。実際の映像の色が変わるため、まるで床をペンキで塗りつぶすゲームをしているような感覚です。今回はコンセプト展示ということで、実際に掃除できるエリアは狭いのですが、自分の家などもっと広いて複雑なエリアでプレイしたいと思わせられました。
最後は、自分が実際に掃除したエリア、取得したポイント、倒したキャラクターの数などを表示。掃除したエリアの割合にあわせて「Great!」などの評価が付きます。
楽しいだけじゃない、意外と実用性もありそう
「AR おそうじ」はコンセプト展示のため、将来的に実用化されるかどうかは未定です。とはいえ体験してみると、掃除された部屋が視覚化される気持ち良さと達成感はなかなかのもの。ぜひ製品化を実現してほしいと思います。
実用的な一面もあります。たとえば、掃除が苦手な家族も、このアプリがあれば楽しんで掃除をしてくれるかもしれません。毎日掃除をしている人にとっては「スマートフォンをセットしてアプリを起動する」という作業は面倒ですが、月に一回アプリを利用して「自分はこの場所の掃除を忘れがち」など、掃除のクセをチェックできるメリットもありそう。現在、プレミアム電動歯ブラシの一部が備える「口の中のどこを磨いたか」を認識する機能のように、近い将来は掃除機にもこういった機能が当たり前のように搭載されるかもしれませんね。