ニコンは3月7日、業務用シネマカメラを取り扱う米「RED.com, LLC」の持分の全てを取得することを内容とする持分譲渡契約を締結し、子会社化したと発表した。
RED社は、安価な業務用シネマカメラで大きな支持を受けてハイアマチュア~プロ領域でシェアを持つ企業。現行モデルとして「DSMC2」「KOMODO」「V-RAPTOR」などを販売しており、さらに同社製品が採用する独自のロスレス圧縮フォーマット「RED Digital CinemaCODE」も特徴。しかしこのフォーマット技術においてカメラメーカー各社と訴訟を繰り広げてきた。今回子会社化を発表したニコンも、2022年にNikon Z 9が搭載するRAWファイル記録技術においてREDから訴訟されていた経緯がある(2023年には取り下げられていた)。
ニコンは発表に寄せて、「今回の子会社化により、製品開発における高い信頼性や映像処理技術、ユーザーインターフェイス、光学技術などの知見を持つニコンと、独自の画像圧縮技術やカラーサイエンスをはじめとしたシネマカメラにおけるノウハウを培ってきたRED社の強みが一体化され、業務用動画機において特色のある製品開発が可能になります。双方の事業基盤やネットワークを最大限活用しながら、今後拡大が見込まれる業務用動画市場の開拓を目指します」と言及。今まであまり展開されてこなかったシネマカメラ市場への参入が行われるかもしれない。