PLST(プラステ)は3月7日、「オフィススタイルの変化とジーンズに関する意識調査」の結果を発表した。調査は2024年2月8日~2月15日、関東在住で10年間同じ業種の企業に勤めている30~50代の会社員、男女500名を対象に、インターネットで行われた。
近年、リモートワークなど働き方や働く環境の変化によって、オフィスにおける服飾の規定の緩和が促され、オフィスファッションの多様化・カジュアル化が進んでいる。そのような背景のなか、10年前と現在のオフィスのスタイルの変化や実態を探るため調査を実施した。
ジーンズの着用率が増加傾向、自由度の高いスタイルに
オフィスで着用しているスタイルについて聞いたところ、10年前は「スーツ」や「制服」など決められたスタイルが約半数(50.8%)だったのに対して、現在では「カジュアル」や「オフィスカジュアル」など自由度の高いスタイルが半数以上(56.4%)を占め、約1割がカジュアルスタイルに移行し、現在のオフィスファッションの主流となっていることが分かった。
10年前に「金融・銀行・保険」「不動産・建設」「IT・ソフトウェア・情報処理」の3業種では、「スーツ」スタイルが最も多い割合だったのに対し、現在その3業種は「オフィスカジュアル」のスタイルが最も多いことが判明。10年前まではスーツが標準的な服装だったが、時代とともに働き方や働く環境が変化し、従来のルールや規範にとらわれず、より自由で柔軟な服装を取り入れる企業が増えている。
仕事でジーンズ「あり」は8割
「ジーンズ」をオフィスシーンではくことについて「あり」と回答した人は8割近く(76.6%)にのぼる結果となり、ジーンズがオフィススタイルの1つとして受け入れられていることがうかがえる。また、実際のオフィスでの着用意向を聞いたところ、現在では全体の3割以上(33.0%)がジーンズをオフィスで着用していることがわかり、10年前と比較すると、10業種中9業種でジーンズの着用率が増加していることも明らかとなった。
10年前にはオフィスでジーンズをはいていなかったが、現在はいている人に対して理由を聞いたところ、「職場の服飾のルールが変わったから(42.6%)」の回答が最も多く、企業の考え方の変化によってジーンズを着用する人が増加していることがわかった。さらに、「世の中のトレンドが変わったと思うから(29.8%)」「オフィスにも着用できるきれいめなデザインが増えたから(25.5%)」など、時代の変化に加えてジーンズがオフィスでも着用できるようなデザインに変化したことも一因となり、着用率が高まったことが推測できる。
オフィスファッションのスタイルの変化「良かった」は8割
10年前と現在で仕事やオフィスで着用しているスタイルの変化があったかを聞くと、約3人に1人(35.6%)が変化したと回答。スタイルが変化した人に対して、変化したことで良かったことやプラスになったことが「ある」と回答した人は約8割(79.2%)という結果に。
実際に良かったこととして、「オフィスカジュアルになったことで、仕事でもプライベートでも着回しができるようになり、仕事でも好みの服が着れるようになった」や「ビジネスだけに特化したような服を購入する必要性が減った」など、着回しや支出に関する声が多くあがった。
また、スーツよりもオフィスカジュアルの着用率が高くなった「金融・銀行・保険」「不動産・建設」「IT・ソフトウェア・情報処理」の3業種からも、着回しや支出に関する声があがったほか、「かわいらしい・おしゃれなデザインの服も着るようになったことで、服装を楽しむということが出来るようになった」、「暑さ寒さ対策ができるようになり我慢していた昔に比べると快適に過ごせるようになりました」といったデザイン性の理由に加えて、機能性や着心地の快適性がアップしたという意見もあった。職業にとらわれずオフィスでもファッションを楽しみたいというオフィスワーカーが増えたことがうかがえる。
オフィスファッションで悩んでいる人は4人に1人
オフィスファッションで悩んでいるか聞いたところ、約4人に1人(26.2%)が悩みがあると回答した。悩んでいることTOP3は、「コーディネートがワンパターン化している(57.3%)」、次いで「カジュアルアイテムを使ったオフィスのコーディネートが分からない(32.8%)」、「洋服代がかかる(30.5%)」という結果に。「オフィスカジュアル」や「カジュアル」といった自由度の高いファッションスタイルが普及したことによって、着回しやコーディネートに関する悩みを抱える人が一定数いることがわかった。着回しができることで支出が減ったという声がある一方で「洋服代がかかる」 という意見も見受けられる。
また、オフィスで着用するアイテムは、平日休日問わず着回したいと思うかと聞いたところ、約6割(59.2%)の人が着回しできるアイテムを望んでいることが分かった。