東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』(毎週土曜23:40〜)の演出を担当する二宮崇監督が、同作に出演する原田泰造と中島颯太(FANTASTICS)について語った。
中島颯太の演技を絶賛
――まもなく最終話を迎えますが、ここまでの感想をお願いします。
撮影していた時には想像もしていなかった反響を頂いて嬉しいです。とても今の時代に合った作品なんだなと放送後の反響を受けて改めて思いました。正直、今、最終話を迎える寂しさもあります……
――監督から見た原田泰造さんとは?
原田泰造さんはパーフェクトな座長でした。誰よりも深く台本を読み込んでいて、現場ではアイデアも出して頂き、誠のキャラクターを一緒に作らせて頂きました。長いセリフが多かったですが、演出上いくつもアングルを撮らなければならないシーンでも何度も本気でやってくださって本当に感謝しています。とにかく表情が豊かで撮影していて、いつも楽しかったです。コメディパートも含め頼りっぱなしで、誠役が原田さんで本当に良かったと思います。
――監督から見た中島颯太さんとは?
中島颯太さんは本格的な連続ドラマが初めてとは思えないほど、とても表現力の優れた方だと思いました。アーティストだからだと思いますが、セリフへの感情の乗せ方も自然で画面から素直に感情が伝わってくるので、とても素敵なカットがたくさん撮れました。大地は難しい役柄でしたが、中島さんの役への愛情がとても深く、原作のイメージも含め細かく相談しながらキャラクターを作り上げてくれました。撮影の待ち時間に原田さんと仲良く話をしている姿が大地に見えるほどでしたね。本当に素敵な方でした。
「おっパン」の魅力
――改めて「おっパン」の魅力を教えてください。
この作品は「押し付けがましくない」部分が魅力だと思います。「こうだよね?」と提示しすぎるのではなく考える種を与えるような作品だと思います。原作の世界観もそうですが、ドラマ版でもそこは作る上で意識しました。「アップデートしよう!」ではなく「アップデートしませんか?」と選択の余地がある、その世界観がとても魅力的だと思います。
――二宮監督がこのドラマでアップデートしたことは?
この作品で新たにアップデートしたことは、繊細なテーマを扱う作品なので視聴者の事をいつも以上に意識したことです。セリフも含めてですが、この作品のキャラクターはLGBTQの方々の代弁者ではないので極力そう見えないように気をつけました。私たちはそこを語りたくてこの作品を作っている訳ではなくあくまで沖田家とそれを取り巻く方々の物語にしたかったからです。「こういうテーマの作品だからこそ楽しく観てほしい」と強く意識して作りましたが、今までのドラマ作りよりもかなり細かく大変な挑戦でした。
――残り2話ですが、視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。
「好きは止められない」。そんなそれぞれの想いを追いかけた物語になっています。誠、大地、そして沖田家、愛すべきキャラクターたちの勇姿を最後までぜひご覧ください!
【編集部MEMO】第10話
美穂子(松下由樹)は、経営する動物病院でとある相手と電話していた。普段見せない苛立った表情の美穂子に不穏な空気を感じる息子の大地(中島颯太)。新たな嵐が誠(原田泰造)や大地たちを巻き込もうとしていた。実家の両親にカミングアウトをするため、大地の恋人・円(東啓介)が帰郷する。大地は不安を感じるが、そんな大地に誠は自分が我が子を授かった時の話をする。生まれた瞬間、「この子は私の娘なんです!」と周りの人に誰彼構わず自慢してしまった、と。「君たちが望むことを、周りのせいで制限を受ける必要はないと思う」誠の言葉に少しだけ勇気をもらう大地。そんな大地の前に10数年ぶりに父・堀内真一郎(相島一之)が現れる。美穂子の電話の相手は10年以上前に離婚した元夫・真一郎だったのだ。真一郎は大地に「お前の将来が心配だ」と円との関係を考え直すように告げる。そんな父に、大地は自分の思いを伝えようとする。そんな中、翔(城桧吏)の友人・静(椿奈央)に新たな恋の予感が。