冬がラストスパートを仕掛けてきている。ラストスパートといえば聞こえがいいが、ゴールが見えてから急にダッシュし始めただけで、それまではかなり力を抜いていたし……おい暖冬、急にどうした? と、みんな不思議がっているだろう。
この冬の奇行はさておき、春はもうすぐそこ。新シーズンが始まる。今回は、丼ぶりと京風うどんがウリの「なか卯」から新たに発売される春らしい限定メニューを特別に一足早く味わうことができたので、その魅力をお届けしたい。
▼爽やかな苦みが超好相性! なか卯「菜の花の親子丼」
なか卯好きのみなさんはご存知かもしれないが、実はなか卯には、爽やかな春を想起させるメニューがすでに用意されている。
「海鮮ちらし丼」や「海鮮アボカド丼」はまさにその代表格で、特にアボカドやオニオンスライスが乗った海鮮アボカド丼は草木が芽吹き、つぼみが花開く春を思わせる華やかさをまとっている。海鮮と一緒に食べるアボカドって、中トロみたいでウマいよね~。
ちなみに、上の写真にある「旨辛親子丼」もかなりウマいらしい。公式ホームページによると、「炒めて旨みと香りを引き出した粗挽きニンニクと、甘みがありつつもピリ辛な韓国唐辛子をあわせ、冬にぴったりの"旨辛"な味わいに仕上げました」とのこと。えっ、じゃあもしかして冬の期間限定メニューなのか? 急いで食べなきゃヤバいかも?
旨辛親子丼はめちゃくちゃ気になるが、そもそもなか卯の親子丼がウマいのは周知の事実。誰も異論はない。いよいよ本題に入るが、冒頭でお伝えした新メニューというのも親子丼のバリエーション商品である。
それがコチラ。
その名も、「菜の花の親子丼」です……!!
ぶっちゃけ、「結構渋いところを攻めてきたな」と感じた人も少なくないかもしれない。でも、ウマいんだな~、これが♡
実物はコチラ。
まずはこのルックスを見てほしい。通常の親子丼はイエローベースのワントーンだが、ここに菜の花のグリーンを加えることでかなり春らしく、華やかなビジュアルに進化していることがおわかりいただけるだろう。
もっと近くで見てみると、本当にキレイ。めちゃくちゃ食欲がそそられる……。
ということで、さっそく一口。いただきます!
あっ……ああ~~~……ウマァァァ~~~い!!!! 菜の花、めちゃくちゃいい仕事しとる……!!
そもそも、なか卯が菜の花を丼ものに採用するのは史上初で、かつて「季節のみそ汁」の具材として使用したことはあるものの、それ以外での起用は一切ないとのこと。菜の花といえば春のイメージが強く、むしろ春しか食べる機会がないような気もするし、そもそも日持ちする野菜でもないので、店側としてはなかなか扱いにくい野菜なのではないかと考えられるが……これ、めちゃくちゃいいじゃん!
他の野菜にはない菜の花特有の苦味が、ふんわり甘めの味付けになっているなか卯の親子丼の割り下と超好相性。しかも、辛子和えにするという一手間がかけられたことで味がピリッと引き締まり、いいアクセントとして躍動している。もちろん苦さだけでなく、春の息吹のような青々とした爽やかな風味も最高~! ほどよいシャキシャキ感も残っており、食感的にも楽しませてくれる。
あと、ちょっと本当に今さらなんだけど、なか卯の親子丼って本当に美味しいよね~……。
鶏肉も大ぶりにカットされていてケチケチしてないし、しかもそれでいてめちゃくちゃ柔らかいの。基本的に、あのぶよぶよの鶏皮もないし、ヘルシーな健康食だと個人的には思っている。たまごの火加減も絶妙で、ふわふわ&とろとろ具合も完璧。上品で癖になる割り下は3種の醤油にかつおと昆布の合わせ出汁で作っているらしい。スライスされたオニオンにほんのり残るシャキシャキ感も絶妙。風味から食感まで、すべてが黄金比である。
なか卯の親子丼は不変のクラシックだし、完全に完成されたものなんだけど、菜の花の辛子和えを加えることでまたちょっと大人の味になったというか、これはこれでまたひとつの完成形というか……。いつもの親子丼をアレンジしたというより、爽やかさと苦みを加えることで、また新しい親子丼の可能性が開けたような印象だ。
なか卯の期間限定メニュー「菜の花の親子丼」は3月13日11:00から販売スタートとのこと。春の味覚、ぜひお楽しみくださいませ。