メルカリは3月6日より、空き時間おしごとサービス『メルカリ ハロ』の提供をスタートした。最短1時間のスポットワークを「だれでも、すぐに、かんたんに」始められる環境を用意する。メルカリの太田麻未氏は「グループのアセットを最大限に活用して、新しくてワクワクする体験を提供します。”働く”をより気軽にして、好きなこと、やりたいことが実現できる世界を目指していきます」とアピールした。
■”働く”をより気軽に
『メルカリ ハロ』は、月間2,300万人超が利用するメルカリを通じてスポットワークを提供するサービス。メルカリ上で本人確認・銀行口座の登録が完了していれば、面倒な履歴書・面接は不要で、すぐに求人に応募できる。給与についても、働いた後に最短即日で振り込まれるという。
募集している仕事は、メルカリアプリの”はたらく”タブから探すことができる。関係者は「お買い物の感覚で、様々なお仕事に出会えます。たくさんの業種・職種のなかから、自分にあったお仕事、時間帯で選ぶことができます」と説明する。
専用アプリはiOS / Androidに対応する。利用者(クルー)側の料金は無料。サービス開始時の対応エリアは1都3県(埼玉、千葉、神奈川)で、地域は順次拡大を予定している。応募資格は18歳以上で、メルカリでeKYCによる本人確認、顔写真などの登録、銀行口座の登録が完了していること(外国籍の方は就労資格が必要)。
サービス導入の背景についてメルカリの太田麻未氏は、昨今の人々の働き方が柔軟になってきたことを第一に挙げる。「時代が進むにつれて、それぞれのライフスタイルにあわせた多様な働き方が求められるようになりました。一方で、登録などの手続きが大変そう、自分にあった仕事がなさそう、といった理由でまだスキマバイトに踏み切れていない人もいます。そこでメルカリでは、これらの課題を解決すべくスポットワーク事業に参入しました」と太田氏。
『メルカリ ハロ』の初期求人募集パートナーには、コンビニ、飲食・カフェ、アパレル・小売、物流・倉庫、ドラッグストア、ホテル、ジムなどが参加している(企業数については非公表とのこと)。太田氏は「皆さんおなじみの各パートナー企業による、全国4万カ所以上の店舗の求人を順次公開していきます。ご自宅、学校の近くなどの生活圏内で、ご自身の興味・関心・経験に合致するお仕事に応募していただけたら」と呼びかける。
メルカリでは今後、給与を「メルペイ」で直接受け取れるようにしていきたい考え。また働いた先で使える「まかないクーポン」を発行し、お得に買い物できる特典なども用意していく。なお現在は『メルカリ ハロ』のリリースを記念し、メルカリ ハロで勤務するごとに1,000ポイントをプレゼントする(最大10回まで)キャンペーンを展開している。
■闇バイトの心配は? バイトをドタキャンしたら?
質疑応答の時間がもうけられ、メディアからの質問にメルカリの太田氏が回答した。
労働者を守る制度について聞かれると「とても重要だと認識しています。クルーの皆さんが安心・安全にサービスをご利用いただける環境を作っていきたい。パートナー企業に関しては、必ず審査をし、不適切な事業者は利用しません。また弊社内でTrust & Safetyに関する専門チームを作りました。メルカリ、メルペイのサービス提供で培ってきたTrust & Safetyの仕組みをメルカリ ハロでも活かしていきます」と太田氏。常に求人を監視する、クルー向けにお問い合わせ窓口を設置するなど、働く環境づくりをやっていく、と説明する。
給与の即時振込については、メルカリが建て替えて支払う仕組みとのこと。またパートナー企業からメルペイに支払われる手数料は給与と交通費の30%と明かす(ただ、しばらくはキャンペーン期間として手数料は無料)。ちなみに給与を電子マネーで支払う、いわゆる”給与デジタル払い”については「準備中」とした。
クルー側にも評価システムを用意する。たとえばバイトに登録していたのに時間になっても来なかった、などの問題が発生したときはキャンセルしたタイミングにあわせてペナルティを課す。具体的には「サービスが一時的に利用できなくなるような措置をとる」としている。
スポットワークから長期雇用に転じるケースもあるのでは、という問いかけには「もちろんまったく問題ございません。メルカリ ハロを介さずに長期雇用に転換していただく、といった事例については私たちも嬉しく思います」と太田氏。これに関連した話題として「現時点では、まだ正社員雇用につながるサービスまでは考えておりませんが、OB・OGコネクト機能(特許出願中)として、過去に働いた経験のある人をグルーピングしてずっとつながる、メルカリ ハロを通じてまた働いてもらえる環境をつくる、ということもやっていきます。単発のスポットワークで終わらず、パートナーとクルーの良い関係が長く続くような仕組みが構築できたら」と話していた。